研究課題/領域番号 |
02807005
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
吉永 一也 熊本大学, 医学部, 助手 (50136719)
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研究分担者 |
藤本 十四秋 川崎医療技術短期大学, 教授 (00040139)
保田 叔昭 熊本大学, 医学部, 助手 (10128324)
中村 雅生 熊本大学, 医学部, 助手 (10180390)
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キーワード | 始原生殖細胞 / 異所性分布 / 細胞移動 / 細胞分化 / 移植実験 / マウス胎仔 / ニワトリ胚 / ウズラ胚 |
研究概要 |
生殖巣原基を外れて、異所性に分布していく始原生殖細胞(PGC)の動態と異所での哺乳類と鳥類について追求した。1.哺乳類PGCの異所性分化態度 マウス胎仔におけるPGCの異所性分布とその形態分化を調べるために、特異抗体・4C9を用いて光顕と電顕で観察した。その結果、PGCは正中線部域の大動脈・大静脈周辺組織、神経節、副腎など広範囲に分布していた。胎齢の進行に伴う、これら異所性PGCの抗体に対する反応性および微細構造的特徴は、卵巣内生殖細胞のそれとほぼ一致していた。このことから、異所性PGCの大分部は遺伝的性差に関わらず、雌型の生殖細胞に分化していくことが明らかとなった。(吉永)2.鳥類PGCの異所性分化態度(1)ウズラ胚におけるPGCの異所性分布について、標識レクチンWFAを用いて組織化学的に検索した結果、そのほとんどは頭部に、一部は体幹、四肢などに認められた。(2)PGCの異所への移住時期を調べるために、ニワトリPGCを異なる時期のウズラ胚の血流中に注入する実験を行なった。その結果、stage18以降のホストに注入されたPGCの大部分が頭部域に迷入していくことを明らかにし、頭部血管の形態形成がPGCの異所移住に深く関わっていることを示した。(中村)3.異所移住PGCの特性 PGC移住の成否を決定する要素を調べるために、2.5日ニワトリ胚から単離したPGCを同時期のウズラ胚に移植することを試みた。その結果100個のPGCを移植した場合平均39個(SE=4.5)がホストの生殖巣原基に見いだされた。一方、7個が頭部に24個は生殖巣原基周辺の間充織にそして7個は体のあちこちに散在して見いだされた。移住の効率はかなり高く、本研究の目的に十分使える実験系である。(保田)4.胚細胞腫瘍に関する情報収集を行なった。(藤本)
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