研究課題/領域番号 |
02807016
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
磯部 芳明 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70094357)
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研究分担者 |
井上 慎一 三菱化成生命科学研究所, 主任研究員
西野 仁雄 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60073730)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | Argine Vasopressin / Supradriasmatsc nucleus / Vasoactive Intestinal peptide / Slice culture / Gastrin releacing peptide / Circadian rhythm / Intracellular Ca |
研究概要 |
生物リズムの機構の分子レベルでの解明を目標としてその中枢とされている視交叉上核(SCN)に存在するペプタイドに着目してラットを用いて実験を行なった。SCNへの入力系、特に位相変位に関与するVasoactive intestinal peptide(VIP)、Gastrinreleasing peptide(GRP)を24時間にわたり経時的にSCNをパンチにより摘出、抽出の後にEIA法で測定したところVIPは暗期に濃度が高くなることが認められた。VIPとGRPとではその頂値出現時刻が逆転とていた。またVIP含量には光応答性があり主観的夜の早い時期の方が光照射による低下が大きいことが推察された。一方、生体リズムが発生過程でどの時点から発現するのかを知ることの一環として、VIP濃度の生後発達を調べたところVIPは生後4日目で既に暗期の方が明期より高くなっていた、この成因について今検討中である。 これらのペプタイドうちVIPのmRNAはNorthern Blottingでの解析の結果,明暗周期下では日周リズムを示し、そのペプタイドレベルと同様に暗期の方が明期より高かった。これらのことはSCNにあるペプタイド含量の変動のうちVIP濃度はその合成系に依存していることが推測された。 これとは別に、生物リズムが一つの細胞内だけで発生するのかそれとも神経回路網としての機能であるのかを解明することを目的として、生後1日令のSCNを材料として分散培養を行なった。培養液中にvitroにおいてSCNの背内側野から室旁核を経る出力に重要な意味を持つArginine Vasopressinの分泌に概日リズムが認められた。このことから実験系として分散培養はSCNの入出力関係を解明するための有用なアッセイシステムとなりうることがうかがえた。現在、より生態系に近いSCNをふくむ組織でのOrganotipic slice cultureの開発を行なっている。
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