• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

覚醒ラツトにおける中枢内神経ペプチドに対する自律神経応答と腎・循環動態

研究課題

研究課題/領域番号 02807018
研究機関産業医科大学

研究代表者

河南 洋  産業医科大学, 医学部, 助教授 (00049058)

キーワード覚醒ラツト / 腎交感神経 / 循環系 / アンギオテンシン / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / エンドセリン
研究概要

覚醒ラツトを用いて、脳室内(i.c.v.)に投与した循環系関連ペプチドの心血管系と自律神経活動に及ぼす効果を調べた。
1).アンギオテンシンII(AII):AII(10ng)によって、血圧(AP)の上昇を伴って心拍数(HR)と腎交感神経活動(RSNA)は抑制された。動脈圧受溶器の除神経を行ったSADラツトでは、HRはむしろ増加したがRSNAの抑制反応は尚認められた。麻酔ラツトにおいて見られるAII(i.c.v.)による尿ナトリウム排泄の促進反応は予め両側腎臓の除神経を行うと有意に減弱した。RSNAは直接腎臓の尿細管でのナトリウムの再吸収を促進することが知られているので、本結果より中枢内AII系は腎交感神経を抑制して尿ナトリウム排泄に対して促進的に働いていることが示唆された。またAIIによる飲水量は正常ラツトに比べてSADラツトでは有意に増加した。したがって圧受溶器からの入力はAllによる飲水行動の制抑に関っていることが示唆された。
2).心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP):ANP(40pgー4ug)によって、AP,HR,RSNAと腎血流は有意な変化を示なかった。しかしANPはAII(i.c.v.)による昇圧作用を減弱させた。AII(i.c.v.)による徐脈とRSNA抑制反応には影響を与えなかった。
3).エンドセリン(ET):ETー3(10ー50pmol)によってAPの上昇、HRとRSNAの減少が認められた。また回転を示す運動障害が認められる場合にはHRとRSNAは逆に増加した。ETー3は中枢内で神経ペプチドとして働いていることが示唆され、またその中枢作用に多面性が認められた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kannan,H.,Ueta,Y.,Nakamura,T.,Yamashita,H.& Hayashida,Y.: "Effects of Centrally administered atrial natriuretic polypeptide on sympathetic nerve activity and blood flow to the kidney in conscious rats." Neuroscience Letters. 116. 123-129 (1990)

  • [文献書誌] Kannan,H.,Nakamura,T.,Hayashida,Y.& Yamashita,H.: "Changes in renal sympathetic nerve activity,heart rate and arterial blood pressure associated with drinking in rats." Society for Neuroscience,Abstracts. 16. 575 (1990)

  • [文献書誌] Kannan,H.,Nakamura,T.,Jin,X.J.,Hayashida,Y.& Yamashita,H.: "Effects of centrally administered angiotensin on sympathetic nerve activity and blood flow to the kidney in conscious rats." J.Autonomic Nervous System.

  • [文献書誌] Yamashita,H.,Kannan,H.Hayashida,Y.& Nakamura,T.: "Effects of intraventricular administration of angiotensin II on renal sympathetic nerve activity and renal blood flow in conscious rats." Acta Physiol.Scand.139supp.591. 129 (1990)

  • [文献書誌] 河南 洋: "脳と腎臓" 神経精神薬理. 12. 377-386 (1990)

  • [文献書誌] 山下 博、河南 洋、山本 繁樹: "エンドセリンー最新情報" 中外医学社, 4 (1990)

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi