1.グルココルチコイドレセプタ-の核結合を促進する因子(ASTP)のcDNAを調整する為、以下の実験を行ないました。 (1)、ASTPを電気泳動的に単一にまで精製し、この精製ASTPを用いて抗ASTPポリクロ-ナル抗体(ウサギIgG)及びモノクロナ-ル抗体(マウスIgM)を作製した。(2)、精製ASTPをリシルエンドペプチダ-ゼおよびV_8プロテア-ゼで限定分解し、それぞれ3種及び8種のペプチドを得た。そして、それぞれのペプチドのN末端のアミノ酸配列を決定し、それに対応するcDNAを合成した。(3)、上記の抗体及び合成cDNAプロ-ブを用いて、ラット及びヒトcDNAライブラリ-のスクリ-ニングを行なっている。さらに、合成cDNAプロ-ブを用いて、PCR法によりASTPのDNAシ-クエンシングを行なっている。 2.核結合促進因子(ASTP)の作用機構を解析する為に、ASTPとグルココルチコイドホルモン特異的DNA(GRE:Glucocorticoid Response Elements)との結合について以下の実験を行ないました。 (1)、GREとしてよく研究されているMMTV(マウス乳癌ウイルス)のLTR部位に存在するGRE(57bp)を合成した。(2)、精製ASTPとMMTVーGREの結合をゲルシフト法により解析した。その結果、ASTPはMMTVーGREと特異的に結合する事が分かった。現在、DNaseIフットプリント法及びDMSメチレ-ション結合阻害実験でASTPが結合している領域が解析している。
|