• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

エンドトキシン疾患の診断法の確立と治療へのアプロ-チ

研究課題

研究課題/領域番号 02807049
研究機関国立衛生試験所

研究代表者

棚元 憲一  国立衛生試験所, 衛生微生物部, 室長 (60107430)

キーワードエンドトキシン / 内毒素 / B細胞マイトジェン / リピドA / エンドトキシンアンタゴニスト
研究概要

エンドトキシンは感染症に伴って生体に様々な致死的な障害をもたらすことから、臨床上の大きな問題となっている。近年、エンドトキシンのアナログで、活性を有しない化合物の中に、エンドトキシンに拮抗してその作用を抑える物質が存在することが見いだされている。この様な物質はショック等のエンドトキシン疾患の治療への応用や、レセプタ-、情報伝達の研究への利用が期待される。ここではエンドトキシン活性の中のマイトジェン活性を指標として、エンドトキシンを化学的に修飾することにより不活化し、それらのエンドトキシン活性抑制作用と化学構造を調べた。サルモネラ、及び大腸菌由来のエンドトキシンを種々のアルカリ処理により脱アシル化したりピドAや、リピドA部分のフリ-の水酸基にサクシニル基を導入したエンドトキシンは、いずれもマイトジェン活性は完全になくなると共に、活性型リピドAによるマイトジェン活性を抑制した。これらの物質のうち、アルカリ処理化合物による抑制は、B細胞マイトジェンのみならず、コンカナバリンAによるT細胞マイトジェンをも抑えることや、エリスロシン染色の結果から、脾臓細胞への直接毒性作用によることがわかった。一方、サクシニル化合物は細胞毒性は示さず、吸着細胞に非依存的に、エンドトキシンによるB細胞マイトジェン活性を特異的に抑制した。その作用は抑制物質を前処理した場合に最も効果的であり、マイトジェン添加前に抑制物質を除いても同様の抑制作用を示すこと、さらにはマイトジェンと抑制物質の分子比に依存することが明らかになり、活性体に拮抗して起こることがわかった。しかしながら純品である化学合成リピドAを用いた同様の実験ではサクシニル体はむしろそれ自体の活性が強くなり、抑制作用は示さないことや、天然のサクシニル化エンドトキシンの化学分析、及び薄層クロマトの結果から抑制物質はモノリン酸化合物であろうと推定された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tanamoto K.& N.Ishibashi: "Inhibition of endotoxic mitogenicity by chemically modified lipopoiysaccharide." Submitted to Infect.Immun.

  • [文献書誌] Tanamoto K.: "Effect of succinylation of lipid A on endotoxic activities."

  • [文献書誌] Haishima U.& K.Tanamoto: "Establishment of chemical method for the detection of endotoxin by pyridylamination of heptose residue."

  • [文献書誌] Tanamoto K.: "METHODS IN ENZYMOLOGY" Academic Press,Inc., 10

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi