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1991 年度 実績報告書

低濃度インタ-フェロン処理のウイルス由来酵素に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 02807052
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

茂田 士郎  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00045634)

研究分担者 馬場 昌範  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70181039)
キーワードインタ-フェロン / 水痘帯状疱疹ウイルス / チミジンキナ-ゼ / ブロモビニ-ルアラウランル
研究概要

水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)感染細胞中に産生されるチミジンキナ-ゼ(TK)におよぼすインタ-フェロン(IFN)の影響をみるために次のような実験を行ない、下記のような結果を得た。
ヒト胎児線維芽細胞(HEF)の培養細胞を4〜16単位/mlのヒトIFNーβで24時間処理したのちに、非処理HEFと共にVZVーCaQu株を感染させた。感染72時間後に感染細胞よりTKをとり、森らの方法により精製した。これらのVZVーTKについて ^<14>Cーbromouynylーarauracil(BVaraU)に対する燐酸化効率を調べたところ、4、8、16単位/mlのIFNで処理後にVZVを感染して72時間後に得たTKは、IFN未処理でVZV感染をうけた細胞より得たTKに比べて、BVaraUのリン酸化効率がよくKm値が低くなった(Km0.2〜0.4、3.4ug/ml)。IFN処理のみで、VZV感染をうけなかったHEFからは、高いTK活性が得られず、VZVーTKに相当するものは得られなかった。またBVaraUを基質としてリン酸化する反応は全く認められなかった。以上のことから、ヒトIFNーβは、低濃度で細胞を処理することにより、細胞内で産生されるVZVーTKのBVaraUに対するKm値を低くして、燐酸化効率を高くすることが証明された。
BVaraUはIFNと併用すると、抗VZV活性が相乗的に増加することが知られているが、そのメカニズムは、IFN処理細胞内で産生されるVZVーTKのBVaraUへの親和性が増すことによる。おそらくは、IFN処理細胞内に産生される物質が、VZVーTKに対してアロステリックに作用して、酵素とBVaraUとの親知性を増すものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 森 修一,茂田 士郎他: "アフィニティ-クロマトグラフィ-による水痘ウイルスthymidine Kinaseの精製" 福島医学雑誌41:1〜7,1992.

  • [文献書誌] 茂田 士郎他: "Synergic inhibitory effects of interferon and nucleoside analogues on herpesvirus replication and its mechanism." International Symposium Basic and Clinical Approaches to Virus Chemotherapy.AbStracts in Helsinki.42-42 (1988)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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