• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

βーカルボリン系化合物のアルコ-ル離脱症状への関与

研究課題

研究課題/領域番号 02807066
研究機関神戸大学

研究代表者

足立 順子  神戸大学, 医学部, 助手 (40030887)

研究分担者 内藤 猛章  神戸女子薬科大学, 薬学部, 教授 (00068339)
藤原 敏  神戸大学, 医学部, 助教授 (20173487)
龍野 嘉紹  神戸大学, 医学部, 教授 (80030831)
キーワードβーカルボリン / アルコ-ル摂取 / アルコ-ル / アセトアルデヒド / トリプトファン
研究概要

アルコ-ルの代謝産物アセトアルデヒドがトリプトファンと縮合してテトラヒドローβーカルボリンー3ーカルボン酸(MTCA及びTCCAと略)を生成し,これがアルコ-ル依存形成に関与するか否かの論議がある.我々は,前年度にTCCA及びMTCAの固相抽出法を確立し,又,HPLCを用いてアルコ-ル飲料を含む種々の食品中のβーカルボリン系化合物の濃度を定量した.今年度は,これを応用し,飲酒がMTCAのヒト尿中排泄に及ぼす影響について検討した.
1)一夜絶食の後,7人の被験者に体重1kgあたり0.4gの純粋エタノ-ルを16V/V%に水で希釈したものを10分間で経口摂取させ,一方,8人に対照として水を飲ませた.開始前に排尿させ,実験開始の1,2,3,4時間後に採尿した.Bond Elut^<【○!R】> SCXを用いて固相抽出し,HPLCを用い,TCCAとMTCAを測定した.
2)飲酒実験においては,開始前,開始後1,2,3,4時間に肘静脈から採血した.血中エタノ-ル及びアセトアルデヒド濃度をガスクロにて測定した.被験者の毛根を採取し等電点分画法にてアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の表現型を決めた.
3)尿中MTCAの排泄量は実験開始前にはTCCAより5〜15倍高かった.対照群では4時間の間にTCCA,MTCA共に減少した.これに対しエタノ-ル負荷群では,MTCAは1時間後に有意に上昇したが,TCCAは対照群に比し有意に低い値が続いた.対照群では,MTCAのTCCAに対する比は4時間の間ほとんど変わらなかったが,エタノ-ル群では2時間後に有意の上昇を認め,4時間後においても元に戻らなかった.
4)血中アセトアルデヒド濃度とテトラヒドローβーカルボリンの尿中排泄量には相関関係はなかった.しかしながら,今回の研究によってヒトのMTCAの生成に飲酒が影響を及ぼす1つの要因である事を初めて示した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 足立 順子,他: "テトラヒドローβーカルボリンの生体内生成と飲酒の尿中排泄に及ぼす影響" アルコ-ル代謝と肝. 11. 123-127 (1992)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi