研究課題/領域番号 |
02807071
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
森田 翼 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70131943)
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研究分担者 |
後藤 貞夫 産業医科大学, 生化学, 助教授 (50131917)
東 監 産業医科大学, 生化学, 教授 (30028386)
平野 英保 産業医科大学, 生化学, 講師 (50040241)
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キーワード | ファブロネクチン / 線維化 / コラ-ゲン / 創傷治癒 / プロフィリン / DNA結合蛋白 / CRE / TRE / 形態制御操作 |
研究概要 |
肝硬変は、B型及びC型ウィルス・非A非B非Cウィルスや、アルコ-ル、シンナ-、覚醒剤等の薬物等により惹起される事が知られている。 肝硬変に於ける肝細胞の機能は、肝臓の線維化が進むにつれて低下してくる。更には、肝癌も発生してくる。それ故、この線維化のメカニズムを明らかにして行けば、肝臓の肝硬変化の機序が分かる事になる。 先ず、四塩化炭素の1回注射で変化する、細胞のマトリックス、特に細胞膜内外の蛋白の発現の変化に視点を注ぎ、線維化形態誘導物質を探す事にした。λgtllのcDNALibraryより基底膜に対する抗体で34個の陽性プラ-クを得、ノ-ザンブロットで変化するものの塩基配列の決定を行った。第21番目のクロ-ンは3.5倍もの上昇を示し、GenBankとのホモロジ-検索でプロフィリンである事が分かった。 同時に動くと考えられるファイブロネクチン、ゲルゾリン、α2(I)・αl(IV)コラ-ゲンの発現の変化を見てみた。これらの蛋白の発現は6時間後に発現のピ-クが有った。α1(III)コラ-ゲンは1.5時間で既に上昇が始まり減少の時期は上記蛋白群と同じで有った。更にこれら(特にファイブロネクチン)の遺伝子の発現をコントロ-ルすると考えられるDNA結合給白をGelーshift分析で見てみると、CRE結合蛋白が最も変化しており、次がTRE結合蛋白で有った。GRE/SP1結合蛋白の変化は微妙で、有意差を認めれなかった。線維化を誘導する物質としては、ファイブロネクチン、プロフィリン、CRE・TRE結合蛋白があり、線維化を固定化するものとしてα2(I)・α1(III)・α1(IV)コラ-ゲンが有る事が考えられてきた。 1回注射による上記の効果は繰り返すと線維化の固定を誘導することが示唆されてきた。
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