研究課題/領域番号 |
02807072
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
横須賀 収 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90182691)
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研究分担者 |
今関 文夫 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40223325)
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キーワード | ポリメラ-ゼ・チェイン・リアクション / C型肝炎ウイルス / HCVーRNA / 合成DNA / プライマ- / 遺伝子 |
研究概要 |
本邦の慢性肝障害の半数以上は非A非B型肝炎ウイルスによると言われてきた。近頃M。HoughtonらによりC型肝炎ウイルスの発見が報告され、その遺伝子構造が明らかにされた。またC型肝炎ウイルスに対する抗体アッセイ系も確立された。しかしながらC型肝炎ウイルスの本体である核酸(RNA)或いはC型肝炎ウイルス抗原の検索法は未だ存在しない。その一因は血中に存在するC型肝炎ウイルスの量が極めてわるく、従って従来のRadioimmuno assay法等の方法では検出不可能と考えられている。本研究では遺伝子を試験管内で指数関数的に増幅するPCR(ポリメラ-ゼ・チェイン・リアクション)法を用いてC型肝炎ウイルス本体の高感度検出法を確立し、ウイルス肝炎の予防、診断、治療効果判定に用いる。まず本年度の研究はC型肝炎ウイルスRNAの高感度検出法を確立する事から始まった。即ち患者検体(肝組織及び血清)からグアニジン、チオイソシアネ-ト法によりRNAを抽出した。更に既報のC型肝炎ウイルスRNAの塩基配列に基づきFlaviウイルス属共通の遺伝子構造を検索し、これらの情報に基づき約50個の20塩基の合成DNAを作製しHPLCにて純化した。この合成DNAを用い、患者検体から抽出したRNAから逆転写酵素を用い相補性DNAを作製した。この相補性DNAを用いて鋳型DNAとし、更に合成DNAのプライマ-を加え、耐熱性のTaq polymeraseを加えた後、我々の研究室で創作したCycle RobotMO2を用いてPCR反応を行ない、反応産物をアクリルアミドゲルに泳動後、エチジウムブロマイド染色によりウイルスの有無を検定した。本法を用いる事により極めて高感度にウイルスの検体中の存在の有無を検索することが可能であり、その応用範囲は多岐にわたると考えられた。
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