研究概要 |
1.三次元肝細胞凝集魂の調製とその形成促進因子 ラット肝細胞を無血清培地下の非接着環境において培養することにより三次元的肝細胞凝集魂を調製する方法を開発した(Koide,et al.Exp Cell Res,1990)。この三次元的凝集魂の形成を容易にすることを目的とした研究過程から,凝集魂形成促進因子が存在することを明らかにした(Br J cell Bicl,1991,印刷中)。これにより安定した三次元凝集魂形成が行えるようになり,かつ凝集魂の形成機構を研究する糸口も開かれた。 2.三次元肝細胞凝集魂での解毒能 三次元的肝細胞凝集魂に保持されるp450還元酵素をミクロゾ-ム蛋白を抗原としたウェスタンブロット法とDNAプロ-ブを用いたノ-ザンブロット法により検討した。いずれの方法でも,単層培養された肝細胞に比し10〜20倍高いレベルのp450還元酵素が三次元凝集魂に保持されていることが判明した(投稿準備中)。 3.三次元肝細胞凝集魂の循環培養系への組み込み 三次元的肝細胞凝集魂をアルギン酸カルシュ-ムゲルに包埋して循環培養系に組み込んで培養する技術を開発した。この循環培養系ではアルブミン,尿素の合成がゲルに包埋しない静置培養時と同様のレベルで維持されており,解毒能を評価する代謝カラムもしくはハイブリッド型人工肝のプロトタイプモジュ-ルとして利用できる可能性が示唆された(投稿中)。
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