研究課題/領域番号 |
02807079
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 講師 (80143965)
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研究分担者 |
酒井 秋男 信州大学, 医学部附属心脈管研究施設, 助教授 (70020758)
上田 五雨 信州大学, 医学部附属心脈管研究施設, 教授 (10020702)
松沢 幸範 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (40219423)
小林 俊夫 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (80020775)
関口 守衛 信州大学, 医学部, 教授 (70075232)
YOSHIMURA Kazuhiko Shinshu Univ., Sch. of Med., Assistant Professor (70174985)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | ARDS / エンドトキシン / 肺損傷 / 覚醒時緬羊 / Tumor necrosis factor / 活性酸素 / Superoxide dismutase |
研究概要 |
エンドトキシン(ETX)肺損傷の発生機序を解明する目的で、tumor necrosis factor(TNF)および活性酸素に注目し、肺リンパ瘻を作製した覚醒時緬羊を用い、recombinant human TNF(rーhTNF)投与による肺損傷の発生機序の解明およびrecombinant human superoxide dismutase(rーhSOD)処置が肺損傷に及ぼす効果について検討した。 1.TNF肺損傷の発生機序に関する検討:rーhTNF、3.5u/kgを30分で投与すると、我々がすでにETX肺損傷で報告した(Kubo and Kobayashi:Am Rev Respir Dis 132:494,1985)のほぼ同様の肺損傷、すなわち、早期の肺高血圧、血中白血球数の減少および動脈血酸素分圧の低下、さらに後期の肺血管透過性亢進型肺水腫などが出現した。しかし、TNF肺損傷の時間的経過はETX肺損傷のそれに比し15ー30分早く出現した。また、選択的トロンボキサン合成酵素阻害剤、OKYー046の前投与は早期の肺高血圧を有意に抑制したが、その他の傷害には影響を与えなかった。 2.ETX肺損傷における活性酸素の関与:Superoxide anion(O_<2ー>)のスカベンジャ-であるrーhSODで処置するとETXによる肺高血圧および肺水腫をほぼ1/2程度まで抑制した。 3.今回の研究の問題点と今後の課題:今回の検討では、TNFが直接肺血管に作用した可能性があり、さらに検討を要する。また、活性酸素のみではETX肺損傷のすべてを説明することは困難であり、他の物質、特に好中球由来のエラスタ-ゼなどの関与も検討したい。最近ETX肺損傷の発生に肺血管内マクロファ-ジ(M¢)の関与が注目されている。ETXがM¢を活性化させ、種々の血管作動性物質を産生し傷害を惹起する、と考えられている。今後、M¢から放出される物質の検討が必要となる。また、従来より、ETX肺損傷の発生に好中球の関与が指摘されているが、好中球とM¢との関係にも注目したい。
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