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1991 年度 実績報告書

脳アミロイドアンギオパチ-の成因に関する生化学的ならびに分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02807083
研究機関信州大学

研究代表者

柳澤 信夫  信州大学, 医学部, 教授 (00010025)

研究分担者 池田 修一  信州大学, 医学部, 講師 (60135134)
キーワード脳アミロイドアンギオパチ- / アミロイド / β蛋白 / トランスサイレチン / シスタチンC / DNA診断
研究概要

本年度は脳アミロイドアンギオパチ-(以下CAAと略す)の発症機序を明らかにする目的で、トランスサイレチン型、β蛋白型ならびにシスタチンC型CAAのアミロイド沈着病変を形態学的に比較検討した。方法はトランスサイレチン型10例、B蛋白型6例、シスタチンC型2例の計18例を対象にアミロイド蛋白の免疫組織学的染色を施行し、個々の症例の脳血管病変の分布・障害度について観察した。結果これら3病型のCAAはアミロイド構成蛋白の化学的性状が全く異なるにもかかわらず、髄膜血管に共通したアミロイド沈着病変が見られた。一方皮質血管へのアミロイド沈着は3疾患で差異を認め、トランスサイレチン型ではごく軽度、B蛋白型では軽度から中等度であるのに対し、シスタチンC型では高度であった。CAAに伴う脳出血はこれら3疾患の中ではシスタチンC型CAAにおいて最も高率に出現することが知られており、本研究の結果からアミロイドによる皮質血管の高度な障害が脳出血の発現と密接に関連していることが明瞭に示された。また血中にアミロイド前駆蛋白が存在するトランスサイレチン型CAAと他の2病型のCAAとの病変の類似性から、β蛋白型ならびにシスタチンC型CAAにおいてもアミロイド前駆蛋白は血中由来であることが推測された。また本研究と関連してシスタチンC型CAAの代表的疾患であるアイスランド型遺伝性脳出血(HCHWAーIと略す)においては、CAAのアミロイド構成蛋白が68番目のロイシンがグルタミンに置換された変異シスタチンCであることが明らかにされている。近年我国においてもHCHWAーI類似の病態を示す家系が報告され、その存在が注目されている。そこで我々は本症の確定診断上重要である上記の変異シスタチンCの存在を容易に確認出来るDNA診断法を確立した。本法を応用すればHCHWAーIの臨床診断のみならず、本疾患の発症前診断も可能であると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] F.Kametani,S.Ikeda N.Yanagisawa,T.Ishii N.Hanyu: "Characterization of a transthyretinーrelated amyloid fibril protein from cerrbral amyloid angiopathy in type I familial amyloid polyneuropathy." J.Nuerol.Sci.

  • [文献書誌] T.Tokuda,S.Ikeda K.Maruyama,N.Yanagisawa,N.Ito: "Spinal cord vascular and leptomeningeal amyloid Bーproteir deposition in a case with cerebral amyloid angiopathy." Acta Neuropathol.

  • [文献書誌] 午山 雅夫,池田 修一,柳澤 信夫,羽生 憲直: "トランスサイレチン型,β蛋白型およびシスタチンC型脳アミロイドアンギオパチ-の病理学的ならびに免疫組織学的検討" 臨床神経学.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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