研究課題/領域番号 |
02807090
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
中川 雅夫 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30079785)
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研究分担者 |
小林 恭一郎 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10225500)
澤田 昌平 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00206020)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 動脈硬化 / 細胞質内遊離カルシウムイオン濃度 / 細胞内pH値 / プロテインキナーゼC |
研究概要 |
平成4年度においては、ヒト血管内皮細胞におけるDNA合成量の測定系についての基礎検討(それぞれの測定系に用いる至適保生条件、ならびに内皮細胞の至適細胞数、またそれぞれの諸指標の経時的変化に関する検討を実施し、測定条件の決定など)を実施し、この測定系を確立した。その後このDNA合成量の測定系のみならず、これまでに確立している測定系、即ちNa^+-K^+ATPase活性、エチールイソプロピルアミロライド感受性を指標としたNa^+/K^+アンチポーター活性、蛍光指示薬であるfura-2を用いた細胞質内遊離カルシウムイオン濃度、pH蛍光指示薬である2'7'-bis(carboxyethyl)carboxyfluoresein(BCECF)による細胞内pHの測定などの諸指標の変化に及ぼすフォルボールエステル、プロテインキナーゼCの阻害剤であるH-7、細胞内にNa^+ionophoreであるモネンジン、細胞外Na^+濃度の除去、シクロヘキサミド、各種カルシウム拮抗薬などの影響を検討した。内皮細胞増殖は主としてプロテインキナーゼCにより、一部は細胞外カルシウムイオン並びに電位依存性カルシウムチャネルが関与して維持されていることが判明した。またエンドテリンはヒト内皮細胞の細胞内pH、および高濃度を除いて細胞質内遊離カルシウムイオン濃度には影響せずに内皮細胞からのprostacyclin産生並びにEDRF産生を亢進させて血管平滑筋の収縮に拮抗することが判明し、またエンドテリンは内皮細胞の増殖抑制作用を有しており、自己で産生したエンドテリンにより自己の増殖を抑制するという自己制御機構が存在している可能性が示唆され、動脈硬化に対して促進的に作用すると考えられた。
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