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1990 年度 実績報告書

培養キラ-T細胞と宿主新鮮リンパ球の抗腫瘍協調作用

研究課題

研究課題/領域番号 02807112
研究機関京都大学

研究代表者

菅 典道  京都大学, 医学部, 助手 (50186160)

キーワードインタ-ロイキン2 / キラ-T細胞 / 養子免疫療法 / 免疫化学療法 / OKー432 / ヘルパ-細胞 / サプレッサ-細胞 / 抗腫瘍協調作用
研究概要

癌患者リンパ球を13日間T細胞増殖因子・recombinant ILー2・可溶性自己腫瘍抗原を含む培養液にて増殖されたキラ-T細胞(cultured lymphocytes;CL)の自己腫瘍に対するキラ-活性測定系( ^<51>Cr放出試験)に患者新鮮リンパ球(fresh lymphocytes;FL)を添加すると、FL自体にキラ-活性は無いものの免疫化学療法(OKー432,化学療法剤,CL移入の連続治療)を受けた患者のFLは高頻度でCLのキラ-活性を増強し、一方乳癌術後無治療例のFLは逆にCLの活性を抑制した。なお、非特異的標的細胞K562に対しては両群のFLの作用に差が無かった。以上の予備実験結果から補助金により諸実験を行ない、CLとFLの抗腫瘍協調作用の発現条件を解析し、次の結果をえた。1.CLの自己腫瘍に対するキラ-活性を増強または抑制するFLはいずれもプラスチック非付着分画にその活性を認めた。2.更に抗体+補体処理によるnegative selection にてFLの subpopulationを求めたところ、FLを抗CD8 + Cにて処理するとCLのキラ-活性を増強し、抗CD4+Cの処理にてCLのキラ-活性を抑制した。すなわちFL中のCD8^+細胞がCLのキラ-活性を抑制し、CD4^+細胞がキラ-活性を増強することが示唆された。3.これらのFLのキラ-活性増強または抑制作用は患者自身のFLによってのみ発現する傾向が示され、また K562腫瘍に対しては異なった作用を示し、これらの現象の腫瘍特異性が示唆された。以上1ー3の結果をふまえた今後の検討課題として、特に乳癌術後症例を対象に、免疫化学療法(OKー432,化学療法の連続治療)がCLと抗腫瘍協調作用を示すFLを誘導することを実証し、FLとCLの協調作用を利用したプロトコ-ル;immunoーchemoーlymphocytoth erapy(OKー432,化学療法剤,CL移入,の連続治療)の合理性を証明したい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S.YAMASAKI: "SYNERGISTIC ACTIVITY BETWEEN ILー2 CULTURED LYMPHOCYTES AND FRESH LYMPHOCYTES IN CANCER PATIENTS ON THE LYSIS OF AUTOLOGOUS TUMORS" Journal of Cancer Research and Clinical Oncology. 116. S343 (1990)

  • [文献書誌] 山崎 誠二: "培養キラ-T移入療法の奏効機序ー特にキラ-Tと宿主リンパ球の抗腫瘍協調作用について" 日本外科学会雑誌. 91. 195 (1990)

  • [文献書誌] 山崎 誠二: "自己腫瘍細胞に対する培養キラ-細胞と宿主リンパ球の相互作用" BIOTHERAPY. (1991)

  • [文献書誌] 菅 典道: "「がん治療のあゆみ」第10巻 分担執筆:adoptive immunotherapy の奏効機序の解明ー特に宿主リンパ球と移入Killer細胞の抗腫瘍協調作用について" がん集学的治療研究財団, (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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