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1990 年度 実績報告書

生体防御能増強による重症膵炎の治療ートリプシン・インヒビタ-持続動注療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 02807117
研究機関東北大学

研究代表者

武田 和憲  東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20171639)

研究分担者 角川 陽一郎  東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60221173)
小針 雅男  東北大学, 医学部附属病院, 講師 (30170369)
キーワード重症膵炎 / 膵酵素阻害剤 / 持続動注療法
研究概要

今年度の研究として以下の検討を行った。
(1)実験的検討
雑種成犬を用いて、closed duodenal loop法により急性出血性膵炎を作成し、膵酵素阻害剤Nafamostat mesilateを腹腔動脈より持続動注したところ、同量を従来の点滴静注により投与した群にくらべて、膵の壊死範囲、膵組織中の膵酵素活性はいずれも低値であり、また、膵組織内の阻害剤の濃度は静注群の約5倍であった。次に、より重症度の高いモデルをNaーtaurocholateの膵管内注入により作成し、病態を検討した。膵炎作成直後より膵組織は著明な出血と壊死を呈し、血圧の低下を認めないにもかかわらず、膵組織の酸素分圧は約50%に低下し、さらに、血液の粘稠度も上昇した。これらの変化は、対照とした浮腫性膵炎(軽症)モデルにくらべて顕著であった。持続動注療法の効果については今後検討の予定である。
(2)臨床的検討
重症急性膵炎に対し、臨床的検討を行った。まず、出血壊死性膵炎10例に対し、FUT 120 mg/day(3日間)の持続動注を行ったが、激しい腹痛は短期間に消失し、臓器障害を含めた臨床症状の早期改善が認められた。また、WBC,CRPなどの血液生化学的パラメ-タ-の改善も認められた。感染を併発しない症例は膵の壊死部は仮性嚢胞を形成し、治癒となった。現在、用量、投与期間を変えた群(FUT 240 mg/day,5日間)の検討を行っているが、2例の壊死性膵炎に対する検討では、腎不全、DIC,呼吸不全の著明改善、膵の炎症の早期改善が認められており、今後、継続して検討を行ってゆく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 角川 陽一郎,武田 和憲,砂村 眞琴,他: "十二指腸盲管法による実験的急性膵炎に対する蛋白分解酵素阻害剤持続動注療法の効果" 日本消化器病学会雑誌. 87. 1444-1450 (1990-)

  • [文献書誌] 武田 和憲,角川 陽一郎,松野 正紀: "重症急性膵炎に対する膵酵素阻害剤持続動注療法とnecrosectomy" 腹部救急診療の進歩. 10(1). 86-89 (1990)

  • [文献書誌] 武田 和憲,角川 陽一郎,小針 雅男,他: "出血壊死性膵炎に対する膵酵素阻害剤持続動注療法" 胆と膵. 11. 1187-1193 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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