研究課題/領域番号 |
02807121
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
具 英成 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (40195615)
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研究分担者 |
笠原 弘 神戸大学, 医学部附属病院, 医員
宇佐美 真 神戸大学, 医学部, 助手 (00193855)
大柳 治正 神戸大学, 医学部, 助教授 (00030958)
斉藤 洋一 神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 進行肝癌治療 / 肝静脈分離 / 活性炭吸着 / 大量肝動注療法 |
研究概要 |
外科的切除や肝動脈塞栓術の適応外の高度進行肝癌に対しては従来動注化学療法が行なわれてきたが成績は不良なままとなっている。その原因として強力な制癌剤は全身的副作用が制約となり効果的な大量投与が困難なことがあげられる。そこで著者らは肝動注療法時の薬剤の領域外溢流を防止する方法として肝静脈分離・活性炭吸着法を考案し制癌剤の効果的な大量投与の可能性について明らかにしてきた。本研究では基礎的検討として雑種犬でアドリアマイシン、マイトマイシンおよびシスプラチン3剤の本法下での薬物動態を検討し良好な吸着除去効果を明らかにした。ついで家兎VXー2腫瘍で本法による大量投与の有効性を明らかにし報告した。以上の実験成績に基づき1989年5月から本法の臨床応用に着手し進行肝癌の治療に導入した。当初、本法実施に際しては肝上部下大静脈の遮断に胸骨縦切開を必要としたが手技的改良により簡便なDouble Balloons Techniqueを確立した。以上の検討で本法の安全性、治療効果を明らかにしその成績の一部については関連学会誌、学会にて報告した。現時点までに肝細胞癌および転移性肝癌を合わせて計24例の臨床治験例が集積され本法により制癌剤(アドリアマイシン、肝動脈投与量100ー150mg/m^2)の副作用防止効果および抗腫瘍効果のいずれの点からも良好な成績が証明された。今後の課題としては治験例をさらに集積し本法の生存期間の延長に及ぼす効果を明らかにするとともに、腫瘍血流の選択的増加作用が注目されているアンギオテンシIIなどの薬剤を併用し、本法による治療効果を高める工夫が必要と考えている。
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