研究概要 |
1),抗イディオタイプ抗体で免疫したラット脳腫瘍モデルの脾細胞のNK活性及びkiller活性を ^<51>Cr遊離法にて解析した結果,コントロ-ル脾細胞に比べて,両活性共に上昇しており,invivoモデルにおいてもキラ-細胞の誘導が可能であった。尚正常ラット脾細胞では,両活性共に上昇は認められなかった。 2),担脳腫瘍ラットに対して,サイクロフォスファマイド投与によって,サプレッサ-T細胞を抑制すると,抗イディオタイプ抗体による腫瘍増殖抑制効果の増強が認められた。ただし,この腫瘍増殖抑制効果は,腫瘍サイズが小さい状態においてのみ認められ,腫瘍サイズが大きくなるに従って,抗イディオタイプ抗体による腫瘍増殖抑制効果は減弱した。 3),悪性脳腫瘍の抗原を認識するヒトモノクロ-ナル抗体に対するマウス抗イディオタイプ抗体を作製した。このイディオタイプ抗体は,1万倍以下の希釈で,ヒトモノクロ-ナル抗体の標的細胞への結合を70%以上阻害した。現在,この抗イディオタイプ抗体を用いて,悪性脳腫瘍患者の自己抗体をスクリ-ニング中である。またヌ-ドマウスモデルを用いて,この抗イディオタイプ抗体の腫瘍拒絶の有無等についても検討中である。
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