研究課題/領域番号 |
02807138
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
江原 宗平 大阪大学, 医学部, 助手 (40176780)
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研究分担者 |
川端 秀彦 大阪大学, 医学部, 助手 (10186132)
斉藤 正伸 大阪大学, 医学部, 助手 (30186960)
小野 啓郎 大阪大学, 医学部, 教授 (70028330)
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キーワード | 希土類磁石 / 側弯症 / 反発力 / 矯正 / 設置法 / 固定法 / コ-ティング / 安全性 |
研究概要 |
第一の実験として小型で磁力の強い希土類磁石(CoSm,NaFeB:住友特殊金属性)を家兎並びにラットの脊柱(主として腰椎)の一側に装着、固定し反発力を作用させ脊柱側弯を作成することを試みた。ラットの場合、磁石2ケ装着にて2週間後、レ線撮影でCobb法により平均20度の側弯を認めた。磁石3ケ装着の場合、2週間後に平均45℃の装着側を凸側とする側弯を作成し得、その後も進行を示した。同一個体の胸椎には回旋を伴う代償性カ-ブを生じ胸郭の変形も認められた。同様の組成の末着磁金属を用いて同じ手術を行ったコントロ-ル群の動物ではレ線上、脊柱変形を認めなかった。側弯を作成し得た群の組織学的検索は現在検討中である。 第2の実験として、既存の方法(肩甲骨ー骨盤締結、一側の傍脊柱筋切除等)で作成したラットの側弯に対して磁石を捜入することで脊柱変形の変化を観察した。脊柱変形の減少(消失も含めて)を認めた。 これらの実験群において磁石は種々のコ-ティングを施行しており現在のところ毒性や異常な神経症状の出現は認めていない。 以上の結果より脊柱に磁力を作用させることで脊柱変形の作成とその矯正が可能であることが判明した。磁力を用いた側弯症治療は可能性を持つといえる。さらに力学的問題の解明、より安全なコ-ティング材料の開発、並びに磁石の設置・固定法の改良を加え実用化へ向けて研究を推進する予定である。これらの結果は日本整形外科基礎学術集会、日本側弯症研究会等にて発表を予定している。
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