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1992 年度 実績報告書

卵胞壁構成細胞の機能相関の研究:卵胞発育・閉鎖機構解明へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 02807151
研究機関福井医科大学

研究代表者

小辻 文和  福井医科大学, 医学部, 講師 (50153573)

キーワード卵巣 / 顆粒膜細胞 / 莢膜細胞 / 細胞間相互作用 / 卵成熟
研究概要

生体卵胞壁はホルモン産生能以外にも卵の減数分裂をある時期まで抑制しこの間に卵に受精後に個体にまで育つ発育能を与えるという働きをもつ。卵胞内では卵は卵成熟抑制因子と称される物質により第一減数分裂の途上で成熟が抑止されている。卵成熟抑制因子は顆粒膜細胞から卵に移行する物質と考えられており,卵胞壁と卵との連絡が絶たれると卵成熟は直ちに再開する。そこで本年度は顆粒膜細胞のもつ卵成熟抑制作用を細胞間相互作用やゴナドトロピンがどのように修飾するかを検討した。
卵成熟が再開する時に最初にみられる変化は卵核胞と称される大きな核の消失(Germinal Vesicle Breakdown:GVBD)である。そこで卵胞より取り出した卵を直ちに単独に培養された顆粒膜細胞上,もしくは莢膜細胞と共に培養された顆粒膜細胞上に置き,GVBDの出現を時間を迫って観察した。顆粒膜細胞と卵との接着は数分で完了し,両面培養顆粒膜細胞上で培養された卵のGV消失は単独培養顆粒膜細胞上で培養された卵に比べ遅延した。即ち,莢膜細胞からのシグナルは顆粒膜細胞の卵成熟抑制作用の亢進をもたらすことが判明した。さらに莢膜細胞と共培養された顆粒膜細胞の卵成熟抑制作用はFSH刺激を受けると亢進するが,単独培養細胞ではこのような現象が観察されなかった。
以上,顆粒膜細胞の卵成熟抑制作用は莢膜細胞からのシグナルにより増強する。またFSHは莢膜細胞の影響下にある顆粒膜細胞の卵成熟抑止効果を増強することが明きらかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 小辻 文和 他: "未熟卵培養システムの開発に向けてー顆粒膜・莢膜細胞間相互作用と卵成熟抑制ー" 産婦人科治療. 65. 465- (1992)

  • [文献書誌] 小辻 文和: "顆粒膜ー莢膜細胞間相互作用と卵巣機能ーコラーゲン膜両面培養系を用いた機能形態学的研究ー" 臨床婦人科産科. 46. 347-356 (1992)

  • [文献書誌] Kotsuji F.et al.: "The Role of Granulosa and Theca Cell Interactions in Ovarian Function" J.Electron Microscopy Technique.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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