研究概要 |
直立時重心動揺検査値の加齢変化 正常被検者349名について両脚閉足直立(ロンベルグ姿勢)1分間の重心動揺軌跡長,動揺面積を測定した。開閉眼差は,年齢,性に関係なく有意で,閉眼で増加した。 男性20ー59歳の平均値は、動揺面積(mm^2)は開眼235ー297,閉眼355ー417,軌跡長(mm)は開眼740ー760,閉眼973ー1070であった。60歳以上では,動揺面積開眼は301,閉眼は467,軌跡長開眼813,閉眼1134であった。女性では男性に比べ動揺が少なく,60歳以上では60歳未満に比し,動揺が有意に増加した。 異る直立姿勢での重心動揺の周波数分析による検討50歳未満の正常被検者19名について異なる直立姿勢を1分間とらし,10z Low pass filterを通し,重心動揺をdata recorderに記録し,結果をsignal processor7T08(三栄測度)で解析した。10Hz以下を7用波数帯域に分け,各用波数帯域のパワ-のル-ト変換値を百分率で求めた。 ロンベルグ姿勢開眼では0.5Hz未満,1Hz未満,1Hz以上5Hz未満を4域にそして5Hz以上に分け,左右方向動揺ではそれぞれ,51,14,12,5,3,3,12%であり、前後方向動揺では57,10,9,4,3,2,13%であった。ロンベルグ姿勢閉眼では左右,前後とも5Hz以上で有意に減少した。開眼マン姿勢,暈脚直立、膝関節屈曲直立,つま先立ち,飛行機型暈脚直立では,前後方向については,5Hz未満の6用波数帯域でいづれも,ロンベルグ姿勢開眼と比べて有意な増減が認められた。しかし,左右方向ではマン姿勢,暈脚直立,飛行機型暈脚直立を除き変化はみられなかった。この結果は今後,立位運動時の重心動揺の評価に役立つと考えられた。
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