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1990 年度 実績報告書

歯周組織線維芽細胞とサイトカインーサイトカインによる細胞機能発現機序の解析ー

研究課題

研究課題/領域番号 02807172
研究機関岡山大学

研究代表者

野村 慶雄  岡山大学, 歯学部, 助教授 (50107075)

研究分担者 後藤 弘幸  岡山大学, 歯学部, 助手 (90205609)
清水 秀樹  岡山大学, 歯学部, 助手 (70170983)
木下 正彦  岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80161537)
キーワード歯肉線維芽細胞 / サイトカインネットワ-ク / ILー1β / TNFα / ILー8 / ILー6 / DNA合成 / コラ-ゲン合成
研究概要

歯周病の病態を,サイトカインネットワ-クにおける歯周組織線維芽細胞の役割から解析することを試みた。以下に得られた知見を列挙するとともに,今後の研究の展望を述べる。
1.サイトカインの歯肉線維芽細胞の機能への影響
1)ILー1βは供試細胞の細胞増殖,DNA合成およびコラ-ゲン合成を抑制した。TNFαはDNA合成および非コラ-ゲン蛋白合成を促進した。2)ILー1βおよびTNFαは供試細胞のPGE_2産生を促進した。3)ILー1βによるDNA合成の抑制効果は細胞周期や細胞密度,血清の添加濃度を変化させても影響を受けなかった。4)インドメサシンによりPGE_2合成を阻害した状態では,ILー1βは供試細胞のDNA合成や非コラ-ゲン蛋白合成をむしろ促進した。一方,TNFαではDNA合成およびコラ-ゲン,非コラ-ゲン蛋白合成がさらに促進された。
以上より,ILー1βおよびTNFαは供試細胞のPGE_2産生を誘導することにより,細胞増殖,DNA合成および基質合成を制御していることが示唆された。今後,ILー1βとTNFαの協同作用についても検討する予定である。
2.歯肉線維芽細胞が産生するサイトカインの検討
1)ILー1βおよびTNFαは供試細胞のILー8,ILー6,ILー1βのmRNAを速やかに発現させた。2)培養上清中にILー8およびILー6活性が認められた。ILー1活性は検出できなかった。
以上より,歯肉線維芽細胞はILー1βやTNFαの刺激により,ILー8,ILー6,ILー1βを産生することにより炎症反応に関与していることが示唆された。今後,さらにサイトカイン産生の調節機構やサイトカインレセプタ-の解析を進め,サイトカインネットワ-クにおける歯肉線維芽細胞の役割から,歯周病の病態解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 滝川 雅之: "歯肉線維芽細胞の機能発現に及ぼすILー1βの影響" 日本歯周病学会誌.

  • [文献書誌] Shogo Takashiba: "Human gingival fibroblasts can produce neutrophil chemotactic factor (interleukinー8) in response to interleukinー1β and tumor necrosis factorα." Journal of Periodontal Research.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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