研究課題/領域番号 |
02807178
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
長岡 英一 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (00028812)
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研究分担者 |
河野 弘 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (00234708)
鎌下 祐次 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90224641)
迫田 敏 鹿児島大学, 歯学部附属病院, 助手 (00235235)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 低Ca食 / 高齢ラット / 大腿骨 / 下顎骨 / 組織標本(脱灰、非脱灰) / Ca量(血中、骨中) |
研究概要 |
骨粗鬆症患者では顎堤が著明に萎縮して総義歯難症例になることが考えられ、このようなる補綴学的観点から、我々は骨粗鬆症に関する研究を実施することを計画した。まず、ウィスタ-系の幼若ラット(8週齢)と成熟ラット(44週齢:1部平成2年度科研費使用)に、大腿骨と同様に下顎骨にも低Ca食(4週では幼若ラットほで著明でないことおよび成熟ラット下顎骨における変化は歯の近接部位よりも離れた部位において明瞭に観察されたことを報告した(平成元年度日本補綴歯科学会九州支部学術講演会、日本口腔インプラント学会総会20周年記念講演会)。 しかし、より高齢なラットでも低Ca食により大腿骨と下顎骨に骨粗鬆の状態が発症し、また、その状態が通常食に変えた後にも持続するのかどうかなど解決すべき課題が残った。そこで、これらの点を明らかにする目的で、平成3年度の予算では、高齢ラット(60週齢)を用いてこれまでと同様の実験を行うことを計画した。 基本的にはこれまでに用いた方法を採用し、60週齢のラットの下顎骨と大腿骨を被験部とし、血中および骨中のCa量を測定し、組織標本を作製することとした。今回、血液についてはP量も測定し、組織標本については脱灰標本(HーE染色とAzan染色)だけでなく非脱灰標本(ラベリング剤による標識とVillan ueva bone stainの併用)により観察を行うことにした。現在、試料作製中であり、実験結果を検討するまで至っていないが、一部得られた脱灰組織標本によれば、60週齢ラットでも低Ca食により骨粗鬆の状態が作り出せるが、その状態は食餌を低Ca食から通常食にすることによって回復していることを窺わせる所見を得ている。しかし、現時点では未だ試料不足であり、結論を出すにはもっと詳細な検討が必要である。
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