研究概要 |
舌癌の進展度は、硬結の範囲や潰瘍の程度から臨床的に判断されてきた。これに対してMRを使用した舌癌の画像診断ではより客観的に舌内の腫瘍の進展度を判定できる可能性があると考えられた。舌癌は初診時にはT1強調画像では正常の筋肉より低信号域で現わされ,T2強調画像では高信号域に現わされ,GdーDTPA投与後のT1強調画像では腫瘍部は辺縁で周囲より高信号で表現され、造影剤による増強効果が認められた。腫瘍の大きさは臨床的大きさより小さめに計測された。組織内照射を行い直後のMR画像では,針状線源刺入の影響で腫瘍の増大と考えられるような、舌の変形や、刺入部がT2強調画像で高信号域で示される事も認められた。経過とともにT2強調画像で高信号域で示される部位は減少し、1年経過すると認められなくなった。これらの画像を検討するためにデュ-プフイルを多量。本年度は使用した。再発との関係を検討する予定であったが、組織内照射を行なった症例で再発した症例は全くなく線量分布と再発についての検討は不可能であった。舌癌で外部照射を行った症例で、再発症例があり、画像的には、従来腫瘍と思われ、T2強調画像で高信号域に認められた部位が,舌中央部に残存していた。確定はできないが,腫瘍中央部に残存したT2強調画像での高信号域は腫瘍の残存の可能性があると考えられた。組織内照射を行なうと針の刺入部は1分後では低信号で、腫瘍部に認められたGdーDTP投与時の腫瘍の辺縁が高信号域で表現される事はなかった。多くはaxial sliceで診断可能であるが,後方進展等の場合は冠状断,矢状断も有効であると考えられた。
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