研究概要 |
舌癌の進展度は硬結の範囲や潰瘍の程度から臨床的に判断されていた。これに対して、近年ではMR画像を利用して頭頸部疾患を評価されるようになってきており、MRは軟組織のコントラストが良く,種々の載面で診断できるようになっている。本研究では,舌癌の進展範囲を診断すること。さらに放射線治療後の効果を画像上で判定する事を目的とした。MR撮像を行い、放射線治療を行った対象患者は6症例である。1.5テスラ-の超伝導装置を用いて撮像した。SE(スピンエコ-)法にてT1強調画像(TR=600msec,TE=15msec)。T2強調画像で(TR=2000msecTE=90msec)さらにGdーDTPA投与して撮像した。初診時には,T1強調画像では,腫瘍は正常な舌筋よりは低信号強度で示され,T2強調画像では高信号強度で示された。GdーDTPA投与後に腫瘍は,正常部より高信号でかつ均一に造影される症例や、腫瘍辺縁が高信号である症例また、正常舌と同程度に造影される症例と三種類認められた。放射線治療後1カ月経過してから撮像すると良い。組織内照射直後に撮像すると、手術と同様に、腫瘍の進展と誤読する可能性もあった。それは出血や浮腫等の影響で舌根の変形、T2強調画像での高信号という形で示された。外部照射後の経過観察で、T2強調画像で高信号であり、GdーDTPA投与で周囲よりも高信号に示された領域では再発を疑った方が良いかも知れない。我々の症例で、再発を示した症例で前述の画像を示した。症例がまだ少なく確定的な事はいえないが、前述した画像についてさらに症例を重ねたい。組織内照射を行なった症例で再発を示した症例はなく線量分布については今後の課題となった。
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