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1991 年度 実績報告書

イソプロテレノ-ルで誘導される唾液腺システインプロテア-ゼ阻害物質に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02807214
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

内藤 幸雄  名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (10076052)

研究分担者 鈴木 郁功  鈴鹿工業高等専門学校, 工業化学科, 教授 (90080209)
キーワードラットシスタチンS / シスタチンス-パ-ファミリ- / 顎下腺 / システインプロテア-ゼ / パパイン / フィシン / トリプシン / タンパク誘導
研究概要

我々が発見したラットシスタチンS(RCS)は、ファミリ-2シスタチンに属するシステイン阻害物質である。(1)ラットでは、生後4〜6週令の限定された時期に、顎下腺内のRSCのレベルが上昇する。この原因を明らかにするため、腺内のRSC親和性のプロテア-ゼの同定を試みたが、成功しなかった。(2)cーHaーras蛋白質はシステインプロテア-ゼ阻害活性とGTP結合を持つ。その一次構造はRSCとホモロジ-が高いので、RSCのGTP結合活性を調べたが、活性は認められなかった。(3)RSCは、ファミリ-2シスタチンに属する卵白シスタチンとオリザシスタチンが持つ抗ウイルス活性と、卵白シスタチンが持つ3T3線維芽細胞増殖作用を示さなかった。(4)感染にシステインプロテア-ゼが関与する細菌/カビ(口腔内常在細菌等総計18種)に対する抗菌活性を調べた結果、歯周病の病原菌であるBacteroides gingivalisの発育を殺菌的に抑制することを発見した(ディスク拡散法:最小有効量;75μg/ディスク)。(5)ラットに交感神経βー受容体作動薬であるイソプロテレノ-ルを投与すると、顎下腺の肥大・増殖に伴って大量のRSCが誘導されるが、何故このような生体応答が生じるのかは不明であった。植物由来のシステインプロテア-ゼであるパパイン(パパイア)をラットの口腔内に投与すると、投与量と投与日数に依存的に、顎下腺の肥大・増殖を伴う大量のRSCが誘導されることを発見した。この生体応答に対するプロテア-ゼの特異性を検討した結果、イチジクに存在するフィシン(システインプロテア-ゼ」と膵臓で産生されるトリプシン(セリンプロテア-ゼ)にも同様な作用が認められた。ラット顎下腺の肥大・増殖に伴って大量のRSCが誘導される現象は、植物および動物に含有されるプロテア-ゼの侵襲に対する一つの生体防御機構であることを解明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 内藤 幸雄: "Induction of cystatin S in rat submandibular glands by papain." Comp.Biochem.Physiol.(1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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