研究課題/領域番号 |
02807221
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
牛込 三和子 東京都神経科学総合研究所, 社会学研究部門, 副参事研究員 (10176654)
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研究分担者 |
江澤 和江 東京都神経科学総合研究所, 社会学研究部門, 主事研究員 (80207430)
あき村 純江 東京都神経科学総合研究所, 社会学研究部門, 主事研究員 (00175796)
川村 佐和子 東京都医科歯科大学, 医学部・保健衛生学科, 教授 (30186142)
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キーワード | 在宅看護 / 呼吸障害 / 呼吸循環モニター / パルスオキシメーター / 筋・神経系疾患 |
研究概要 |
昨年度までの対象に症例を追加して継続的に調査した。呼吸障害のある在宅看護対象者[呼吸障害が疑われる群(8例)、呼吸管理を受けている群(人工呼吸器装着6例、気管カニューレ装着3例、在宅酸素療法1例、計10例)]18例について、経皮的動脈血酸素飽和度測定装置(パルスオキシメータ)を試用し、在宅看護への導入の有効性と普遍化のための課題を検討した。1.看護行為に伴う測定では、(1)体位変換に伴い無呼吸発作を生じる患者および「苦しい」と訴える患者について測定したところ、無呼吸発作患者で測定値に異常がみられたのは1例であったが、医学的評価としては看護行為上の指示や助言は「従来通り」であった。「苦しい」と訴える事例では、測定結果から医学的には異常無しの評価があり、患者・家族は納得し安心した。(2)清拭中の測定では、5例中2例に変化が見られたが医学的評価では「従前通りで可」であった。入浴では測定した2例ともに一時的に経皮的動脈血酸素飽和度の低下がみられたが、短時間に回復した。入浴に不安をいだいていた事例も測定結果から不安が軽減した。(3)気管内吸引時では、測定した6例中一時的に経皮的動脈血酸素飽和度が低下したのは3例であり、内2例は短時間に平常値にもどり、平常値に回復するまでに時間を要した1例では、介護者に指導して吸引法を変更することができた。2.夜間睡眠中の呼吸状態の測定は、起床時の頭痛、夜間浅眠、随時深呼吸などの症状をもつ5例および呼吸管理をうけている4例で行った。その結果、夜間も呼吸状態の安定が医学的に確認された5例は在宅療養に安心感をもった。夜間無呼吸発作をおこしていた例では、モニタの警報機能により酸素飽和度の低下を介護者に通報でき、覚醒した介護者が患者に呼吸を促すことで、患者の安全をはかれることが分かり、夜間無呼吸発作の対応策を得て患者・家族が安心した。3.病状の進行により呼吸状態が変化した例では、保健婦が測定値から異常を疑い、主治医にファクシミリでデータを転送し、入院の診断となった。4.医師への診断基礎資料提供および看護行為の安全性確認その他の有効性、長時間使用における機器改良点、普遍化のための価格・保守・使用者教育などの課題を明かにした。
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