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1990 年度 実績報告書

Ph^1染色体陽性Stem cellの増殖と分化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02807233
研究機関高知医科大学

研究代表者

久保西 一郎  高知医科大学, 医学部, 講師 (10153339)

キーワードCML / Ph^1 / 分化 / 増殖 / 細胞株 / ヌ-ドマウス
研究概要

2人の慢性骨髄性白血病(CML)患者より得られた細胞をヌ-ドマウス皮下に移植し、in vivoで継代移植可能なPh^1染色体陽性、bcr遺伝子の再構成を示す2系の細胞株(PSCLー1,PSCLー2)を樹立した。この2つの細胞株は共にCD13,CD33等骨髄系細胞のマ-カ-を有する未熟な形態を示す細胞から成り、in vivoでの継代移植が可能で現在までPSCLー1は15代目まで、PSCLー2は5代目まで継代が可能となっている。一方in vitroで培養を行うとこれら2系の細胞株は共に全く反対にその増殖能を失い、全ての細胞が主として顆粒球(好中球,好酸球,好塩基球)及び単球へと分化することが判明した。以上のことからこれら2系の細胞株はPh^1陽性のmyeloid stem cell lineであることが示された。申請者は以前よりCML細胞の増殖分化機構の研究のためそれに適した細胞株を得るための実験を行ってきたが、今回動物体内では未分化な芽球として増殖するが、in vitroでは成熟顆粒球及び単球へと分化し得る2系のPh^1陽性myeloid stem cell lineを樹立した。Ph^1染色体陽性のstem cell lineが条件の違いにより増殖したりあるいはその増殖が抑制されて成熟細胞へと分化し得ることが示されたことから、CML細胞の増殖と分化の機構解明の目的にかなった細胞株が得られたと考えられる。in vitroにおいてこれら2系の細胞株が維持できるよう各継代ごとに培養を行い、又種々の増殖因子を加えて検討しているが現在までのところ、全ての細胞は1〜3カ月の間に分化してしまいin vitroの増殖系は得られていない。最近申請者は胸腺上皮細胞由来の細胞株の樹立に成功した。種々の増殖分化促進因子の産生が胸腺上皮細胞には知られているので左在その培養上清を用いてPSCLー1,PSCLー2に対する影響を検討中です。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 葛目 哲也,久保西 一郎 他: "ヌ-ドマウスで継代移植可能なPh^1陽性myeloid stem cell lineの樹立" 日本血液学会雑誌. 53. 158 (1990)

  • [文献書誌] Kubonishi,I.,et al.: "The establishment of a thymic carcinoma cell line (Tyー82) carrying t(15;19)(q15;p13) chromosome abnormality."

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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