LD78と高い相同性を持つマウスの蛋白MIPー1αの幹細胞増殖抑制因子としての活性が明らかになり、LD78の生物活性を知ることは急務となった。その目的で大腸菌由来LD78蛋白をヨ-ドラベルした後に各種細胞株への結合試験を行った。標的とした細胞株はHTLVーI感染株MJ.T細胞株Jurkatt及び単球性の株HLー60及びV937であった。それぞれへの特異的結合は828、1108、1081、2222、であり、V937細胞への結合が最も高い事が明らかになった。V937細胞へのLD78蛋白の結合はILー8やγーIFNでは阻止できなかったがラベルしていないLD78によっては阻止され、特異的な結合であることが確かめられた。またラベルしたLD78をDSSを用いて細胞膜と架橋化した後、細胞溶解液をSDSーPAGEにて解析することにより、分子量60.000に相当する単一なバンドを認めた。大腸菌由来LD78蛋白はCMK細胞の増殖を100μg/mlの濃度で著明に抑制したが酵母由来LD78蛋白にはその抑制効果が認められず本蛋白の生理活性の同定には課題を残した。
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