研究課題/領域番号 |
02808019
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
飯田 稔 筑波大学, 体育科学系, 教授 (90114032)
|
研究分担者 |
小田 晋 筑波大学, 社会医学系, 教授 (90049156)
松原 達哉 筑波大学, 心理学系, 教授 (90015438)
真仁田 昭 目白学園女子短期大学, 教授 (30015424)
小畠 哲 広島経済大学, 経済学部, 教授 (00205444)
|
キーワード | 登校拒否 / 中学生 / キャンプ |
研究概要 |
本年度は平成3年度に実施したキャンプに参加した登校拒否児(実験群)および対照健常児(対照群)の10ケ月後のデータを収集し、平成元年、2年度を合わせて3年間の実験キャンプの成果を総合的に分析している。 現在の分析結果として次の点が指摘できる。 1)登校状況に関しては45人の登校拒否中学生のうち32人(71.1%)が登校しており、登校状況に改善がみられる。 2)ロールシャッハの結果から再登校に至る大きな条件として子どもらしい精神的なバイタリティーの存在があげられる。 3)CMIによると、登校拒否児は健常児に比べて精神的自覚症状が高いが、キャンプ後その差は少なくなる。 4)バウムテストから、登校拒否児のエネルギーの回復と情緒的安定に効果が認められ、パーソナリティーが改善されている。 5)不安については、キャンプ後状態不安、特性不安ともに低下した。 6)キャンプ後自己概念が向上し特に努力主義の因子が顕著であった。 7)キャンプ集団内での社会的地位が高まり、友人関係の改善が図られた。 8)「向社会性」「自己表現」「他者受容」「協調性」の点で対人行動の向上が認められた。 9)親子関係においても、養育態度の改善がみられ、特に母親の改善が著しく、子どもの見方とも一致していた。 テストの量が多すぎたこと、テストの選択について登校拒否児の立場を考えると反省すべき点が多くある。
|