研究概要 |
1.界面活性脂質の構造解析 MS/MSや2次元NMRなどにより構造解析をおこなった。その結果、 (1),Serratia marcescens産生のserrawettinは、cyclic lipopedideであり、W2は、3ーhydroxydecanoylーDーleucylーLーserylーLーthreonylーDーphenylalanylーLーisoleucyl lactoneであった。尚、W1は、cycloー(3ーhydroxydecanoylーLーseryl)_2でありserratamolideと同一物質。W3は、dodecanoicacidと5つのアミノ酸(threonine serine valine leucine isoleucine)よりなる環状物質であった。 (2),Serratia rubidaea産生のrubiwettinは、糖脂質とタンデム型3ーOH酸であり、RG1は、βーDーglucopyranosyl 3ー(3'ーhydroxytetradecanoyloxy)decanoate、R1は、3ー(3'ーhydroxytetradecanyloxy)decanoateと3ー(3'ーhydroxyhexadecenoyloxy)decanoateの混合物と構造推定した。また、上記物質を構成する脂肪酸およびアミノ酸の炭素鎖長に±2程のゆらぎが認められた。 2.フラクタル形態の形成機構 (1),固形培地上のフラクタル集落形成は、フラクタル次元が1.7〜1.8、遮蔽効果、反発効果が見られ、diffusionーlimited aggregation(DLA)の理論モデルと整合していた。 (2)成長先端部では、通常、界面張力が分裂細胞の突出を抑え凹凸の少ない成長外縁となる。Serratiaは、上記の界面活性脂質を産生することによる、界面張力により束縛を緩めフラクタル集落形成を容易にしている(コンピュタ-シユミレ-ションによる検証)。
|