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1991 年度 実績報告書

植物における酵素のリン酸化と脱リン酸化を介する活性の光調節の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 02808034
研究機関京都大学

研究代表者

泉井 桂  京都大学, 理学部, 助教授 (20025414)

キーワードトウモロコシ / ホスホエノ-ルピルビン酸カルボキシラ-ゼ / 光情報 / C_4光合成 / プロテインキナ-ゼ / カルシウムイオン / タンパク貭のリン酸化
研究概要

C4光合成に関与するホスホエノ-ルピルビン酸カルボキシラ-ゼ(PEPC)は光合成の盛んな昼間はリン酸化を受けて活性化され,夜間は脱リン酸化されて低活性型に戻ることが知られている。このリン酸化の光による調節の分子機構について手がかりを得るため,今年度はトウモロコシ緑葉よりPEPCをリン酸化するプロティンキナ-ゼ(PK)を部分精製し, ^<32>Pで標識したATPから ^<32>PがPEPCにとりこまれる活性の測定系を確立した。次に,PKがどのカテゴリ-に入るものかについて手がかりを得るため,協和メデックス社製の一連のPK阻害剤の効果を調べた。PEPCーPKはPK全般を阻害するKー252aおよびミオシン軽鎖キナ-ゼなどカルシウムーカルモジュリン依存性のPKを阻害するKT5926によって強く阻害され(50%阻害に要する阻害剤の濃度(I_<50>)はそれぞれ5.0および2.5μMであった。これに対して,サイクリックAMPやサイクリックGMP依存性のPK阻害剤であるKT5720およびKT5823は全く阻害しなかった。さらにカルモジュリンアンタゴニストであるWー7も本酵素を阻害した。これらの知見から本酵素はCa^<2+>依存性であることが示唆されたので,EGTAの効果を調べたところ、強い阻害を示し,そのI_<50>は1.2μMであった。さらにEGTAの阻害はCa^<2+>によって打ち消されたがMg^<2+>によっては打ち消されなかった。これらの知見はPEPCーPKがCa^<2+>依存性のPKであることを強く示唆するものである。米国のCholletらはトウモロコシの同酵素についてCa^<2+>依存性がなかったと報告しているが,我々の知見はこれとは異っている。Ca^<2+>は光シグナルの伝達因子である可能性があり,我々の知見はこれを支持するものである。今後この酵素のcDNAのクロ-ン化を行い,その構造,発現調節機構などを明らかにしていきたい。

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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