研究概要 |
半導体のpn接合部に光学フィルタを組合せて200nmから400nmの光子に感度を持たせた検出器および210nm附近の光子に感度の高い光電管(UVトロン)が紫外線検出器として開発されている。前者は小型で使用法が簡単であるが感度のピ-ク波長が公称値と一致しない場合があること、感度が不十分でしかも連続使用が出来ないこと、また後者は連続使用には適しているが有感波長領域が210nm附近に限られ応用面で制約を受けることなどが明かとなった。光電子増倍管にに光学フィルタを組合せた試作の検出器は着目する波長領域の紫外線に対して良好な感度が得られ、デ-タのディジタル化によりコンピュ-タとの接続も可能で連続検出器として使用できる可能性が示された。現在小型化のためフォトダイオ-ドの応用について検討中である。 実験室レベルでの線量測定では、キセノンランプを光源として使用し、紫外線検出器による照射量の距離の逆2乗則,検出器感度の方向依存性などを検討した。距離の逆2乗則の結果から、300nm以上の波長領域では光源の強度および検出器感度に矛盾しない結果が得られ、この光源を使用した照射量校正の可能性が示された。また感度の方向依存性では、cos分布を外れたが光源が点状であることに起因している可能性が高い。半導体検出器による12月の太陽光の測定では、光電管程度の感度が必要なことが明かとなった。 紫外線防護基準については紫外線を315nmで区分したそれぞれの領域で制限値が示されている。急性被曝に対する制限値は極めて低く抑えられているが、慢性被曝に対する考慮が必要なことが明かとなった。
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