大学教育の改革という大きな流れの中で、「授業改善」が求められている。本研究の目的は、授業の改善と活性化を支援する「授業改善支援システム」の開発をするための教育工学的・教育心理学的基礎研究を行なうことである。この目的を達成するにために、次の3つの観点からの研究が進められた。すなわち、I)「学生による授業評価」の導入が授業担当者や学習者に及ぼす効果、II)「大福帳(出席カ-ド)」の開発とその教育心理学的効果、および、III)「ビデオ・リポ-ト」導入による授業の活性化効果の3つの観点から検討された。 具体的には、次のような研究が行なわれた。 I)「学生による授業評価」の授業担当者や学生に及ぼす効果に関する研究 (1)「学生による授業評価」の開発:「記憶に残る授業」における教授行動(自由記述)」の分析 (2)大学教官(20名)の教授行動類型化の試み (3)学生が授業の評価者になることの意義(「学生による授業評価」の意義) II)大福帳の開発と授業導入の教育心理学的効果の研究 (4)大福帳の開発と大福効果の研究:大福帳を導入した授業を実践し、大福帳導入が受講生に及ぼす効果分析 III)「ビデオ・リポ-ト」の実践とその教育心理学的効果 教本研究((1)〜(4))の成果は、平成2年度と3年度の日本教育大学協会研究集会、育工学会、科学教育学会の年次大会で口頭発表(計4回)され、また、三重大学教育学部紀要と三重大学教育実践研究指導センタ-紀要に報告(4編)された。
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