研究課題/領域番号 |
02808057
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
矢鳴 虎夫 九州工業大学, 情報工学部・知能情報工学科, 教授 (90039115)
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研究分担者 |
山川 烈 九州工業大学, 情報工学部・制御システム工学科, 教授 (00005547)
内野 英治 九州工業大学, 情報工学部・制御システム工学科, 助教授 (30168710)
廣田 豊彦 九州工業大学, 情報工学部・知能情報工学科, 助教授 (00144402)
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キーワード | 理解度 / 学習量 / ファジイ推論 / メンバシップ関数 / 単元 |
研究概要 |
今年度の研究計画は、得点、理解度、学習量などの表現が、ファジィ集合およびファジィ論理としてどのような方法で接近出来るのか、その方法や理論を確立し、その妥当性のシミュレ-ション実験による検証を目的として進めて来た。その結果、まずその学習原理として、理解度と学習量の定式化を「難しさ」の係わりで行った。つまり学習者が1つの問題を与えられたとき、その問題に対して感じる主観的難しさを基にして、ファジィル-ル群を構成した。 この学習原理に基づいて理解度や学習量に関するファジィ方程式を導くことが出来た。更にこの理論に基づいて計算機シミュレ-ションを行い極めて面白い結果を得た。つまり問題群と単元との結びつきを三角形をベ-スにするファジィ数で設定し、その分布が正規的になる理想的な教科書モデルと、実際に本学の“C言語プログラミング"の教科の中で使用されている教科書とについて実験してみた。各問題の単元間との関連度分布のあり方によって、かなり理解度や学習量の出力としてのメンバ-シップ関数の形が異なって来ることが確認された。ファジィ演算と推論によって引き出されるメンバシップ関数の形そのものに重要な教育情報が乗せられていることが確認された。この意味で、この関数パタ-ンに人間が感じて言葉として表現するのと同じことを計算機で自動的に行えるシステムも創り出せる可能性も確認した。このようにして個人の学習評価を、問題そのものの理解だけでなく単元などの教育学習項目に対して総合的にそれでいて木目細かく柔い言葉で学生と対話出来るシステムを創造出来る可能性を見いだした。今後はこの方向で研究を進めるつもりである。これは当初の計画にも一応折り込んでいたことでもある。尚、本年度の研究は裏面に示すように国内外の研究会で報告している。
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