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2002 年度 実績報告書

中間エネルギー核子入射核反応における前平衡直接反応過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02F00042
研究機関九州大学

研究代表者

渡辺 幸信  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授

研究分担者 GAYDAROV M. K.  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 外国人特別研究員
キーワード核子入射核反応 / 前平衡過程 / 多段階直接反応 / 核子核子短距離相関 / 半古典歪曲波模型 / (p,p'x)反応 / カルシウム-40 / 後方角散乱
研究概要

本研究の本年度の目標は、中間エネルギー領域の核子入射核反応で特徴的に観測される前平衡反応過程に核内核子の短距離相関がどのような影響を与えるかを解析し、明らかにすることである。
まず、前平衡反応過程の中で、入射核子が核内核子と少数回の2体散乱を繰り返し放出される多段階直接(MSD)反応に与える短距離相関の効果を調べることにした。研究代表者等が開発してきた半古典歪曲波(SCDW)模型に必要な標的核のWigner分布関数の導出に、Gaidrov氏らのグループによって開発された短距離相関を考慮した計算手法を組み込み、MSDで放出される核子の角度分布、特に後方角放出を解析した。Jastrowタイプの短距離相関を導入したNatural Orbitの手法で求めた一体密度行列から標的核のWigner分布関数を計算した。入射エネルギー150,160,186,392MeVの^<40>Ca(p,p'x)反応を解析対象とした。短距離相関を考慮したWigner分布関数を用いたSCDW断面積は、以前のWoods-Saxson型の平均場に対するWigner分布関数を用いた結果に比べ、後方角での断面積が増加し、実験値との一致が改善することがわかった。前方角への放出には殆ど効果がないことも明らかになった。Wigner分布関数を用いて算出される核子運動量分布を両者で比較すると、短距離相関を考慮した場合は、2fm^<-1>以上の高運動量成分が増加し、その結果、入射核子と高運動量核内核子との2体散乱で後方角への放出割合が増加することが分かった。より詳細な議論を展開するために、現在、各模型パラメータの感度解析を進めている。

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公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

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