研究概要 |
本研究では、アクリルアミド(AAm)、メチレンビスアクリルアミド(BIS)、メタクリル酸(MAc)の沈澱重合で得られるハイドロゲル粒子の生成機構、粒子の膨潤のpH依存性を検討した。 AAm, BIS, MAcをエタノール中でアゾビスイソブチロニトリルにより重合すると、サブミクロン単分散ハイドロゲル粒子が得られる。この重合系は上條・川口・梶原らによって1996年に報告されている[1]が、倪は粒子の生成・成長機構に関し新たな説を提案した。すなわち、倪は、開始前の重合系を動的光散乱測定しミクロモノマー滴が存在することを見出し、これが粒子の核となり、それらとモノマー滴の間におけるモノマーのやり取りを介して粒子が成長する[2]と推測した。現在裏づけを取っている段階である。 得られた粒子については、重合系のMAc/AAm比、架橋剤濃度、全モノマー量、重合時の攪拌速度等が粒子の膨潤・収縮特性に及ぼす影響を詳細に調べた。 さらに、上記の3元系にジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)を加えて沈澱重合を行い、両性ハイドロゲル粒子を得て、その膨潤挙動を検討している。 [1]Y.Kamijo, K.Fujimoto, H.Kawaguchi, Y.Yuguchi, H.Urakawa, K.Kajiwara, Angew.Makromol, Chem.,240,187(1996) [2]H.Ni, G.Du, M.Ma, S.M.Nagai, S.Omi, Macromolecules,34,6585(2001)
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