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2002 年度 実績報告書

超好熱菌シャペロニンに関する基礎的研究及びそれを用いたタンパク質安定化システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 02F00204
研究機関関西学院大学

研究代表者

藤原 伸介  関西学院大学, 理工学部, 助教授

研究分担者 SIDDIQUI Masood Ahmed  関西学院大学, 理工学部, 外国人特別研究員
キーワードArchaea / 分子シャペロン / 超好熱菌 / Thermococcus / 耐熱性タンパク質 / 二次元電気泳道 / ゲノム解析 / 安定化因子
研究概要

本研究の目的は超好熱菌の細胞内でタンパク質の安定化を促すシャペロン因子(シャペロニンを含む)を用いてタンパク質の安定化システムを構築することにある。耐熱性タンパク質は熱力学的な安定性を示すパラメータである自由エネルギー変化量(-ΔG)の最大値が70℃以上にあり、その値も大きい。このことは耐熱性タンパク質は低温では不安定になることを示唆している。本研究では超好熱菌には低温で誘導される分子シャペロンが存在すると仮定した。そこで低温誘導タンパク質の中から分子シャペロンとしての機能をもつものの探索を試みた。超好熱菌にはThermococcus kodakaraensisを用いた。T.kodakaraensisはゲノム解析が完了しており、ポストゲノム研究を行う生物として適している。まずT.kodakaraensisの細胞内画分を抽出し、それを二次元電気泳動法により分画できる条件を検討した。T.kodakaraensisは嫌気呼吸を行い生育し、最終電子受容体に硫黄を用いる。ところが硫黄含有培地で培養を行うと硫化物が蓄積し、二次元電気泳動を行うのに適した細胞内画分を得ることが出来ない。そこで各種受容体を検討したところ、ピルビン酸ナトリウムが適していることが示された。この場合、大量に水素を発生したが、硫化物混在がなく、細胞内画分の試料調製を効率よく行うことが出来た。そこでピルビン酸ナトリウムを用いてT.kodakaraensisを85℃で培養し、二次元電気泳動のための最適化を行った。85℃の培養温度で最も効率よく発現しているタンパク質はアミノ酸配列からグルタミン酸脱水素酵素であることが明らかとなった。また、分子シャペロンのひとつでシャペロニンと予想されるタンパク質も多量に発現が見られ、これは分子量及び等電点の特徴からCpkBと推察された。今後、温度変化に伴う発現プロファイルの変化を検討する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Fujiwara, S: "Extremophiles : development of their special functions and potential resources"J. Biosci. Bioeng.. 94・6. 518-525 (2002)

  • [文献書誌] 藤原伸介, 福崎英一郎: "特殊環境場での酵素反応・疎水環境,超臨界流体環境中での耐熱性酵素による反応"現代化学. 378. 14-20 (2002)

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公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

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