研究課題/領域番号 |
02F00252
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松尾 雅文 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授
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研究分担者 |
SURUNO A 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | DMD / dystrophin / splicing / RNA binding protein |
研究概要 |
ジストロフィン遺伝子から転写されたmRNA前駆体は100kb以上もの巨大イントロンを有しており、そのスプライシングは非常に精密に制御されているものと考えられる。しかし、その機構を分子細胞生物学的手法を用いて明らかにした報告はない。本研究は、ジストロフィンmRNA前駆体に結合する核タンパクを分離精製し、その遺伝子をクローニングするとともに、発現させたタンパクを用いてスプライシング制御機序を明らかにするものである。 ジストロフィン遺伝子の79のエクソンの中でエクソン19にスプライシング促進配列があることが明らかにされている。本研究では、まずエクソン19のスプライシング促進配列に結合する核タンパクの分離精製を行った。31塩基からなるエクソン19のスプラシシング促進配列からなるFAMラベルしたRNAプローブを作製した。これをHeLa細胞核抽出液と混ぜRNA・タンパク複合体をUVクロスリンク法を用いて作製した。さらに、HPLC法と電気泳動法を用いてこの複合体を単一バンドになるまで精製した。そして、この精製したバンドをTOFMAS分析し、プローブに結合した核タンパクの一部のアミノ酸配列を直接明らかにし、その結果からスプライシング促進配列に結合するタンパクの同定に成功した。この分離精製したタンパクのcDNAの全長をスクリーニングし、これをタンパク発現ベクターに組み込んだ。 現在、本タンパク質の機能解析をミニ遺伝子を導入したHeLa細胞を応用した分子生物学的手法を用いて行っている。
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