研究概要 |
1.本学に設置されている衛星画像受信解析装置を用いて、NOAA-12,15,l6,17号とOrbView2衛星データの受信処理をルーチンワークとして行った。またNOAA衛星データ受信時に北海道近海、サロマ湖・網走湖の水温画像を作成し、当研究室のホームページに試験的に公開した。 2. (1)低層の雲やガスの影響と思われる水温異常値(値が低すぎる)を、品質管理で使われている3σ法を用いて削除した。その結果、2003年サロマ湖において、3σ法の適用前は160日分の日最高水温が、3σ法適用後は140日分となり、またMCSST(多チャンネル海面温度)計算値の実測値(水深60cm)に対するRMS誤差は、3σ法適用前後で4.4℃から1.4℃へと改善された。 (2)MCSST計算には全海洋に適用できるグローバルな経験係数A,B,C,D,Eが通常使われている。しかし、ある海面に特有の最適なローカル係数が考えられる。2003年4月8日〜12月5日のサロマ湖において、このローカル係数を求めた。実測値に対する同定誤差はやはりローカル係数のほうが良く、特に5℃以下では、グローバル係数を用いた水温計算値はローカル係数を用いた場合より低すぎるという結果が得られた。 3.外洋域(Case1水)のクロロフイルa濃度推定に使われているOC2-v2,OC4-v4式は、網走湖ではクロロフイルa濃度が大きいときに過小評価され適用できないことが分かった。 1997年6月〜2000年10月までの網走湖における34日間にわたる観測結果より、植物プランクトンの光合成に必要な光の吸収帯の中心は670nmにあり、蛍光放射帯の中心は700nmにあることが明らかとなった。そこで、網走湖のような汽水湖や沿岸水(Case2水)のクロロフイルa濃度の推定式として、670と700nmのリモートセンシング反射率比を用いた4次、6次単回帰式を提案した。
|