研究概要 |
Qbeta phageはA2,coat,readthrough,replicaseの四つの遺伝子しか持たない最小の遺伝媒体RNAウイルスである。これら四つの遺伝子はQbeta phageの環境において、全て必要で不可欠である。そこで、我々は二重欠損phageの欠損を補うシステムとしてA2遺伝子を欠損させたQbeta phageゲノムをコードしたプラスミドを用いることによって最小複製単位の獲得ことに有効ではないかと考え、このようなプラスミドを持った大腸菌を指示菌とし、A2を欠損したphage検出することを試みした。 結果: 1.Qbeta phageのA2遺伝子は大腸菌では溶菌と吸着するのに必要である。そこでA2遺伝子にアンバ・ストップコドンを一が所導入したプラスミドを構築し、A2を供給するプラスミドとしてpBADA2を使った。その結果、獲得したphageはA/λ(Sup+)を指示菌とした時、BE110(Sup-)の時より優位な差が見られた。まだ、野生型に認められないNhe Iサイドが存在することから、A2遺伝子にアンバー変異を持ったphageが検出されたことが示唆された。 2.1、の実験を踏まえて、A2を欠損したphageを獲得するため、A2遺伝子に存在するFsp IとPme Iサイドを利用して、A2を欠損プラスミドを構築した。同様にA2を供給するプラスミドとしpBADA2を用いた。その結果、プレート法にはphageのparticleを検出されなかったが、RT-PCRでは欠損したphageのゲノムRNAを確認された。対照に、A2を供給しない場合では欠損したphageのゲノムRNAの確認ができませんでした。即ち、A2を欠損したphageを獲得できることが可能であることが示唆された。そこで、増幅させるため、pBADA2を持った大腸菌にphageを再感染させ、濃縮実験を行った。Round8まで実験した結果、初期よりRT-PCRで欠損phageのゲノムRNAの増幅が見られ、Round5では最大の増幅を確認された。 考察: 相補系を用いてA2欠損phageの獲得することができた。この実験系によって、最小限複製単位の獲得に大きな一歩を前進したと言える。
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