李剣銘氏は来日以来、中央大学経済研究所を中心に図書・資料を精査し、積極的に研究会活動に参加して教授・研究員と交流するとともに、精力的に他大学・研究機関・企業等を訪問してヒアリング調査を行ってきた。その成果は既に経済研究所のDiscussion Paper Seriesに「日米ベンチャービジネス・キャピタルモデルの比較研究」として印刷に付されている。 このペイパーは、同氏の博士論文の実績の上に日本での上記の活動を積み上げて書かれた日本語の報告書であるが、その内容は日米のベンチャーキャピタルの比較検討から両者の優れた点を抽出し、それを母国中国の国情に照らして如何に摂取し活用しうるかを考察したものである。(英文サマリーもある)。詳細な国際比較の上に、中国でのビジネスモデルを構築しようとする姿勢と努力は高く評価してしかるべきだと考える。 同氏は中国重慶市政府の現役中堅幹部であり、日本での研究成果をただ単に本人の研究進展に資するためのみならず中国の経済発展に貢献しようとする姿勢が明瞭である。それゆえ同氏に対する日本の援助に感謝する気持ちが強く、研究協力者・指導教授として私(姫田)も心嬉しく思っている次第である。
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