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2004 年度 実績報告書

対称空間による局所及び保型表現の構成

研究課題

研究課題/領域番号 02J01139
研究機関京都大学

研究代表者

今野 和子  京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードp進簡約群 / 保型表現 / テータ級数 / Howe双対性 / 跡公式 / 内視論 / ユニポテント表現 / Arthur予想
研究概要

今年度は、前年度から取り組んでいるp進体上の低階数ユニタリ群の既約表現の記述とそのCAP保型形式の記述への応用、およびその高次のユニタリ群への拡張の二方向で研究を進めた。
前者に関しては、p進体上のU(3,1)の放物型誘導表現の組成因子の記述を目指している。誘導する表現が1次元の場合はすでに前年度に解決したので、それ以外の場合が問題となる。p進群ではコンパクト群の表現が「非可換類体論」を含むため非常に豊富な内容を持つので(実数体には非可換類体論はないのに対して)、その表現論のみによる具体的な記述は望みがたい。そこで誘導する表現に付随する、Galois群のl進表現の既約性や自己双対性等に誘導表現の構造を関係づける試みを行った。まず、この際に必要になる二変数ユニタリ群U(1,1),U(2)の間の既約表現(あるいはLパケット)さらには、大域的な保型表現の間のJacquet-Langlands対応を目指した。解析的には同値な問題であるSL(2)の"Selberg"跡公式の安定化の、ユニタリ群の場合に計算している。一方でその期待される帰結を仮定して、U(3,1)の放物型誘導表現の構造を対応するU(2,2)のそれに帰着した。これらの結果については現在論文を制作中である。
上述のコンパクト群の表現論の問題から、後者でもKazhdan-Lusztig理論に帰着される実Lie群の場合とは異なる問題が現れる。誘導する表現に付随するGalois表現の性質によって実に様々なパターンが現れるため、現状では、カスプ表現とGalois表現の対応についての一連の予想を全面的に仮定しても、離散系列の組み合わせ論的な記述が得られているのみである(Moeglin-Tadic, etc.)。こうした本来表現の記述より強いとされる予想を仮定せず結果を得るために、今年度は準分裂ユニタリ群U(n,n)のoddな一般主系列表現に問題を限定した。Jacquet加群の解析にArthur, GoldbergらによるR群の記述を用いて、これらの一般主系列の構造を計算した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004 2003

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 4変数ユニタリ群のAパケットについて2004

    • 著者名/発表者名
      K.Konno
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 1398

      ページ: 200-207

  • [雑誌論文] Unipotent representations of unitary groups in 4 variables2003

    • 著者名/発表者名
      K.Konno
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 1348

      ページ: 118-133

  • [雑誌論文] F階数1のユニタリ群の表現2003

    • 著者名/発表者名
      K.Konno
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 1321

      ページ: 92-107

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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