研究概要 |
本年度は,変態ロボットにおける自律機能の確立を目標とし,様々なロボットに組込可能である軟化変形モジュールの開発,その変形モジュールからなる多関節ロボットの製作及びその自律行動を目的とした行動プランニングシステムの構築を行った. 1.軟化変形モジュールの開発 モジュールの開発において,従来使用していた低融点合金よりも融点の高い合金を用い,また構造内部のヒータをφ0.1[mm]の銅線を編むことによって製作し,その加熱効率を向上させることによって軟化及び硬化に要する時間の短縮を実現した. さらに,このモジュール製作に用いられるシリコンゴムをより柔軟性の高いものに変えることによって,構造変形の際にその厚さにばらつきがあり,部分的に強度が弱くなる問題を解決した. 2.多関節変態ロボットの構築 前述のモジュールを全身に配置することで全身の形状と剛性を変化可能な多関節変態ロボットを製作した.このロボットは直線状に繋いだ5本の軟化変形モジュールからなり,関節自由度数は4である. このロボットは変態ロボットの自律行動を2次元的に生成するためのプラットフォームであり,平面内の行動に対して冗長な自由度を有する. 3.変態ロボットの行動プランニングシステムの構築 まず,通常のロボットにも利用可能である行動プランニングシステムの構築を行った. 次にそのシステムにi)リンク変形時の形状評価法,ii)バランス安定性を維持するための摩擦力評価法を開発し,組み込むことで変態ロボットにも適用可能である行動プランニングシステムを構築した.
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