研究課題
1.calcification-associated peptide(CAP)-1遺伝子のゲノムDNA上での塩基配列の決定アメリカザリガニの外骨格中に存在するCAP-1は炭酸カルシウム結晶形成阻害活性とキチン結合活性を有し、そのmRNAは石灰化が起こる脱皮後期に特異的に発現していることから、外骨格の石灰化に重要な役割を果たしていると考えられる。PCR法を用いてCAP-1をコードする遺伝子のゲノムDNA上での塩基配列を解析した結果、3エキソン、2イントロンからなる全長約2.4kbpの遺伝子であることが分かった。さらに上流の約1.7kbpについても解析を行った結果、エクジソンにより誘導される昆虫の初期遺伝子の応答配列と相同性を有する配列が複数存在していたが、エクジソン受容体応答配列は存在していなかった。また、ORFの一部分をプローブとしてゲノミックサザンハイブリダイゼーションをおこなったところ、CAP-1と相同な遺伝子がゲノム上に複数存在することが示唆された。2.CAP-1およびCAP-2のカルシウム結合活性CAP-1およびCAP-2をPVDF膜にドットブロットし、^<45>Caを含むバッファー中でインキュベートした結果、どちらもカルシウム結合活性を有することが明らかとなった。また、様々な濃度のCa^<2+>と競争実験を行い、Scatchard解析を行った結果、どちらのペプチドもCa^<2+>に対して解離定数約1mM程度の親和性を有していた。
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