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2003 年度 実績報告書

抗生物質N1999-A2の分子認識機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 02J10469
研究機関東北大学

研究代表者

小林 正治  東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードシガテラ / シガトキシン / ポリエーテル / CTX3C / メタセシス / アリル化 / アルケニルボレート / C-グリコシル化
研究概要

世界最大規摸の海産物食中毒シガテラの主要原因毒素であるシガトキシン(CTX)は、6〜9員環の13個のエーテル環が梯子上に連なった巨大分子である。当研究室ではすでに、同族体の一つであるCTX3Cの全合成に成功しているが、CTX3Cよりも構造的に複雑で、毒性も強いCTXの全合成は未だ達成されていない。今回、CTXの左側部分に相当するABCDE環部の効率的合成に初めて成功した。従来の合成法を改良し、CTX類全合成の共通中間体となるABCD環部のグラムスケールでの実践的な合成に成功した。二重結合の異性化、アリルアセテートへの変換、ニッケル触媒によるアルケニルボレートとのカップリングにより、わずか3工程で立体選択的にジヒドロキシブテニル側鎖を導入するができた。更に、O,S-アセタール形成反応、閉環メタセシス反応およびアリル化反応を駆使して、E環およびF環に相当する炭素骨格を導入することに成功した。当初、不安定と予測されたA環のジアリリックエーテル結合を破壊することなくE環を構築できた意義は大きい。アリル化の立体選択性を改善するため、DE環モデルを用いて条件検討した。その結果、アノメリックスルホンだけでなく、スルフィド、スルホキシド、フルオリドからもアリル基を導入できることがわかった。特に、隣接するヒドロキシル基を無保護にしてTiCl_4を用いると、望むβ-アリル化体が優先した。アノマー効果に支配されないβ-選択的なアリル化反応は珍しく、6員環化合物での一般性が示されれば、β-選択的なC-グリコシル化反応の新規な方法論の開発につながる可能性がある。また、不斉アルドール反応を用いた新規なE環構築法を開発し、E環が8員環であるCTX3C型のABCDE環部の立体選択的合成にも成功した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Kobayashi, B.H.Alizadeh, S.Sasaki, H.Oguri, M.Hirama: "Synthesis of the fully functionalized ABCDE ring moiety of ciguatoxin"Organic Letters. Vol.6, No.5. 751-754 (2004)

  • [文献書誌] 小林正治, 平間正博: "9員環エンジイン抗生物質N1999-A2の全合成:絶対配置とDNA切断"有機合成化学協会誌. Vol.62, No.3. 184-193 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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