研究課題/領域番号 |
03041019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
羽田 正 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (40183090)
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研究分担者 |
小倉 泰 東京大学, 東洋文化研究所, 助手 (80214104)
林 佳世子 東京大学, 東洋文化研究所, 助手 (30208615)
三浦 徹 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (00199952)
藤井 恵介 東京大学, 工学部, 助教授 (50156816)
横山 正 東京大学, 教養学部, 教授 (80012417)
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キーワード | モスク / イスラム都市 / イスラム建築 / イスラム庭園 / 街区 / マドラサ |
研究概要 |
今年度の現地調査は、イスラエル、トルコ、シリアの三国において実施された。イスラエルでば、主に、エルサレム旧市街のマムルーク朝、オスマン朝時代の宗教施設の現状を重点的に調査した。また、これらの宗教施設の歴史、変遷を確認するための都市図、資料を収集した。その結果、エルサレムが、都市プランの面でも社会組織の面でも「アラブ・イスラム都市」的な特徴を有していることが確認された。 トルコにおける調査は、主として、中部、東部アナトリアにおけるセルジューク朝時代の宗教建築を対象とした。調査都市の数は10、調査の対象となった建築物の数は38である。その結果、イラン文化の強い影響を受けながらも、独自の発展を遂げたルーム・セルジューク朝時代の宗教建築の様式的、技法的特徴を把握できた。その高度な技術とすぐれたデザイン感覚は、従来アナトリアの地方王朝として、政治史上では軽視されてきたルーム・セルジューク朝の評価の再考をせまるものである。これとは別に、都市住民と宗教施設、街区との関係について、いくつかの町では聞き取り調査も行なった。 シリアでは、アレッポ、ダマスクスが主たる調査対象となった。アレッポでは、商業地区と宗教施設の位置関係、街区と住民意識などについて聞き取り調査を行なった。ダマスクスでは、都市周辺の緑地についての調査、旧市街の街区での住民の意識調査、宗教施設の変遷と現状、その住民との関わり方の調査が行なわれた。 これらの調査終了後、収集した資料(スライド数千点、地図資料、文献資料など)の整理、分類を行なうとともに、コンピューターへのデータ入力を開始した。
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