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1991 年度 実績報告書

カナダ北極海諸島における第三紀樹木遺体の発掘

研究課題

研究課題/領域番号 03041039
研究機関名古屋大学

研究代表者

末田 達彦  名古屋大学, 農学部, 助教授 (90109314)

研究分担者 MCIVER Eliza  サスカチュワン大学, 理学部, 研究員
BASINGER Jam  サスカチュワン大学, 理学部, 助教授
小嶋 智  名古屋大学, 理学部, 助手 (20170243)
林 和男  愛媛大学, 森林資源学部, 助教授 (80111839)
キーワードカナダ北極海諸島 / 第三紀 / 化石林 / アクセルハイベルグ島 / エルズミュア島 / KーTバウンダリ- / 地球環境 / 地球温暖化の行く末
研究概要

本研究の目的は、カナダ北極海諸島において第三紀の化石林を発掘し、その復元を通じて、樹木の生育が可能なほど温暖だった往時の北極圏の環境を復元することにある。ここで言う化石林とは、森林が生育時の姿を保ったまま埋没保存されたもので、森林を構成するすべての林木だけでなくこれら林木相互の位置関係が保存されているという点で、単なる樹木の化石とは大きく異なり、樹種構成、成長量、バイオマスなど単に当該林分の特性だけでなく、それを取り巻く北極圏全体の環境の復元も可能とするものである。
本年度は、アクセルハイベルグ島ジオデティクヒルおよびエルズミュア島ストラスコナフィヨルド一帯ですでにその存在の知られている三箇所の化石林サイトにつき、地質、出土状況、林分および林木のサイズに関して予備調査を行うとともに、樹種鑑定と年輪測定のなどのため、根株、樹幹、落枝落葉などの試料を持ち帰った。
また、本年度調査の予想外の収穫として、ストラスコナフィヨルドにおいて新しい化石林を発見した。地質調査の結果、既知の化石林がすべて第三紀始新世のものであるのに対し、この新規発見の化石林は第三紀暁新世あるいは中生代白亜紀末期のものと考えられる。これら時代の異なる化石林をつなぎ合わせることにより、大気二酸化炭素の減少などにより地球が大きく寒冷化したKーTバウンダリ-の地球環境の変化を具体的に再現できる見通しが得られた。この変化を逆に考えることにより、現在懸念されている炭酸ガスの増大による地球温暖化の行く末をもある程度予測することが可能である。
きたる1992年度の本調査においては、こうした復元を行うため、現地における化石林の測量、森林測定、地質調査に加え、帰国後分析と測定に供する根株、樹幹、落枝落葉の採集を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 末田 達彦: "カナダ北極海諸島の第三紀森林化石群" 第五回樹木年輪研究会講演要旨.

  • [文献書誌] 小嶋 智: "カナダ北極海諸島の古第三紀森林化石" 日本地質学会99年学術大学講演要旨.

  • [文献書誌] 林 和男: "カナダ北極海諸島の第三紀層から出土する樹林遺体の組織化及び2、3の物性" 第42回日本木材学会大会講演要旨集. 42. 39 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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