研究分担者 |
スリチャイ ワンゲーオ チュラロンコーン大学, 政治学部, 準教授
ポンペン チントゥラクー シンラハ゜コーン大学, ナコンハ゜トム校・文学部, 準教授
野津 幸治 天理大学, おやさと研究所, 助手 (40208369)
ワイ チャモンマーン タマサート大学, 商学部, 準教授
高井 康弘 大谷大学, 文学部, 講師 (00216607)
松薗 祐子 いわき明星大学, 人文学部, 助教授 (00164799)
橋本 卓 北九州大学, 法学部, 助教授 (00208448)
村嶋 英治 成蹊大学, 文学部, 助教授 (70239515)
竹内 隆夫 立命館大学, 国際関係学部, 助教授 (40105747)
清水 由文 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (40132352)
田坂 敏雄 大阪経済法科大学, 経済学部, 助教授 (70122190)
赤木 攻 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (10030157)
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研究概要 |
調査地は都市圏近郊の住宅地と農村(ミンブリ-郡サ-ムワ-・タワントック),および,地方都市チョンブリ-の低所得者住宅街と近郊農村(パ-ント-ン郡コロ-イ村第4区)であり,調査による知見は次の通りである。 ミンブリ-の農村においては土地買占が進み,若年層の通勤兼業の増加とバンコクへの一時他出の減少が著しく,農業労働力は中高年令層が多いが老齢化しつつあり,近い将来急速に離農が進むと自認している。村落形成史上興味ある点は,この村が他の村とのエスニシティ-,親戚関係を保ちながら相互交流の中で発展してきた点,土地相続規範が比較的遵守されてきた点等である。 チョンブリ-市内の低所得層住宅街においては4年前の調査世帯の過半数はひき続き居住しているが,長期居住者ほど市内,近郊の中・下層労働者となる傾向が強く,また住宅も借地ながら持ち家となり,職業と居住条件が安定の傾向を強めている。これに対し新規に移住した短期居住者は職業はインフォ-マル・セクタ-が多く,住宅も借屋・借室が多い。ただし長期居住者も低所得である。チョンブリ-への移住理由は仕事が多いことであり,東部臨海工業地帯として形成中の東部中心都チョンブリ-の成長を物語る。 チョンブリ-近郊の農村はかつて米単作の寒村であったが,養魚,養鶏の近郊農業導入とともに農民層分解が進行し,また従来からの底辺日雇層も一定程度滞留している。世帯主の年令と土地所有規模は必ずしも相関せず,中高年の一定層に小・無所有層がある。近郊農業を典型とする農業の商品経済化とともに村外都市資本の進出も著しく,そのエ-ジェント層が村内で経済的,政治的力をもち始めている。
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