研究課題
1)ドイツではデュイスブルグ、ミュンヘン、ベルリンの3都市を中心にケルン、シュッツトガルトを含めて外国人労働者に関する実務機関、行政機関、大学・研究所などの調査研究機関から聞き取りならびに資料の収集に当たった。トルコ人の居住、労働、社会が都市により大きく異なることが分かった。トルコ人が長期居住することからくる諸問題、第1世代と二世・三世との関係、教育水準と職業訓練の重要性の相互関連が明らかになった。トルコ人が空間的に集中する地区については必ずしも、ベルリンのクロイツェルベルクのモデルが全てに当てはまるわけでない。量的な側面ではドイツとトルコとの資金や人間の移動関係は以前よりも希薄になっている。しかし観光などの面では交流は増加していることが明らかとなった。2)パリとブリュッセルでは国際機関であるEC,OECDその他で出版されている外国人労働者に関する資料を収集した。国によりトルコ人の置かれている状況が異なる。ドイツのような最大多数派を形成する場合と、フランス、イギリスのような少数派の場合との差異である。後者の地域では言語取得上の問題で困難さが増え、それとの絡みで職業選択の自由度が制約を受けている。そこからそれぞれの社会への統合の度合いが異なってくる。3)トルコではアンカラを対象として主に交通問題から接近した。近年における不法占拠住宅といわれる無秩序な都市域の急速な拡大と都市計画による開発を区別し、そこから、公共交通機関の不足とそれを補完するミニバスの活動に帰還移民の入り込む余地を検討した。他方、商業分野ではあまり彼らの成功例は多くない。不法占拠住宅地区の現状がかなり明らかとなってきた。
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