研究課題/領域番号 |
03041075
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
吉田 禎吾 桜美林大学, 国際学部, 教授 (60037025)
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研究分担者 |
慶田 勝彦 九州共立大学, 経済学部, 講師
浜本 満 一橋大学, 社会学部, 助教授 (40156419)
上田 冨士子 九州国際大学, 国際商学部, 教授
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キーワード | ミジケンダ / 治療儀礼 / 病いの経験 / 憑依霊信仰 / 妖術信仰 / 性の秩序 / 死 / 呪医 |
研究概要 |
平成3年度の調査研究は当初の実施計画通り遂行された。各研究分担者は予定通り各々の担当地域において、綿密な参与観察ならびに入念な聞き取り調査を実施し、目標としていた各担当地域の網羅的な民族誌的デ-タ(生業形態・社会構造・歴史伝承など)の収集を行った。また研究分担者全員に共通の調査項目として掲げておいた「病気の文化」を構成する以下の基礎的デ-タ群の収集についても予想を上回充実した成果が得られた。 1:病気ならびにその諸症状の民族的分類2:病因としての妖術・邪術・憑依霊の分類とメカニズム 3:病因究明の手段としての卜占とその実例4:呪医の知識と伝統的治療システム 5:近代医療機関の活動とその利用状況6:死や性についての諸観念とその解釈 とりわけ1については吉田が、4と6については上田、慶田が、また3と5については浜本が、そして2については小田が、それぞれ豊富なデ-タを収集することに成功した。こうした各々のデ-タは調査期間中に現地で実施された定例ミ-ティングの場でただちに報告され、当該地域間での「病気の文化」の差異や共通性などが活発に討議された結果、地域間の相互的な比較研究の可能性とその重要性とが改めて指摘された。なおそこで共通理解として得られた当該地域における「病気の文化」の比較可能性とその問題系としての重要性は、あらかじめ平成4年度に計画していた「合同調査」においてただちに検証される事となり、その意味で今回の調査はそうした研究の新たな展開へ向けてのステップとしても大変に実りのあるものであったといえよう。 なお、今回の調査で得られた個々の研究成果は5月に開催されるアフリカ学会で発表される予定となっている。
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